インターネットの美女画像掲示板にこのほど、あるユーザーが台北都市交通システム（ＭＲＴ）車両内で撮影した美人女性の写真を投稿し、話題となった。しかし、この写真に偶然写り込んだ女性を他のユーザーが「おばあちゃん」呼ばわりした上、揶揄（やゆ）するコメントをしたことが、この女性の知るところとなり、激怒した彼女は投稿主を裁判所に訴えた。

　問題の写真を撮影した男性は昨年８月、台北ＭＲＴに乗車中、車内で美しい女性を見かけた。ナンパする勇気も出ず、彼は携帯電話のカメラでこっそり彼女を撮影し、友人に頼んでネット掲示板「ＰＴＴ（批踢踢）」の美女画像投稿欄にアップロードしてもらい、誰かこの女性を探してほしいと呼び掛けた。

　投稿された写真には、撮影者のお目当ての、赤いワンピースを着た女性が携帯電話を操る立ち姿が写っていた。また、彼女の後方には偶然、優先座席に座った女性が撮影カメラの方を向いている姿が写り込んでいた。

　この女性はそれほど高齢に見えないが、優先座席に座っていたことからネットユーザーが「おばあちゃんもお前に見とれているぞ」と冗談交じりにコメントした。

　投稿を目にした同僚から告げられ、この女性はコメントを読んで激怒。プライバシーを侵害された上、プライドを傷つけられたとして士林地方法院検察署に画像の撮影者と投稿主を告訴した。

　検察はこれに対し、写真は公共の場所で、女性のプライバシーに関わる部分は写っておらず、氏名や電話番号も記載されていないので、個人資料保護法（個人情報保護法）に違反しないと判断して不起訴処分とした。

　弁護士は、もし投稿写真で勤務先、学校など個人情報が特定でき、写された当人が訴えれば２年以下の懲役刑が科される可能性があると指摘した。しかし、相手の個人情報を記載しなければいいかといえば、ネット利用のモラルが問われることだろう。