鴻海精密工業の子会社、富智康集団（ＦＩＨモバイル）は12日、インド・チェンナイ工場を今月24日に閉鎖すると地元メディアが報じたことについて事実と認め、従業員1,700人の権益を保障するため、現在政府および労働組合と協議を進めていると明かした。13日付経済日報などが報じた。
閉鎖についてＦＩＨモバイルは、顧客および受託生産の需要に大きな変化があり、受注が予測を下回ったことを理由に挙げた。同社は2006年にノキアが同地に工場を設立するのに合わせ進出。しかし、ノキアは携帯電話事業がマイクロソフト（ＭＳ）に買収されると今年11月に工場を閉鎖。これに伴いＦＩＨモバイルも閉鎖に追い込まれたもようだ。ただ同社は、今後もインドへの投資は検討していると強調した。
これに先立ち、ＦＩＨモバイルがノキアが閉鎖した工場を20億米ドルで買収するとの観測も浮上していた。ＦＩＨモバイルの顧客でインドの携帯電話ブランド最大手、マイクロマックスがＦＩＨモバイルに対し、ノキアの工場を買収した場合、発注量を増やすと持ち掛けたとされる。これについてＦＩＨモバイルは「ノーコメント」とした。
