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記事番号:T00054838
2015年1月12日15:54

 台湾積体電路製造(TSMC)が、16ナノメートル立体構造トランジスタ(FinFET)製造プロセスのアップグレード版「FinFETプラス」生産ラインの本格導入時期を、当初計画の今年上半期から下半期へ先送りするとの観測が出ている。一方、ライバルのサムスン電子は14ナノプロセス製品の良品率を大幅に改善したと伝えられており、TSMCはアップルの次世代プロセッサー「A9」の受注競争で不利になる恐れがある。サプライチェーン関係者の情報を基に12日付経済日報などが報じた。

 TSMCは昨年、同社の16ナノFinFETプラスはサムスンの14ナノプロセスに技術力で勝り、今年7月に量産に入る見通しで、両社の先端プロセス開発競争は既に勝負がついたと表明していた。しかし、サムスンは負けじと14ナノプロセスで再び攻勢を強め、市場では同社がメモリーの優れた統合技術を武器にアップルからA9を受注し、来年上半期のA9受注比率はTSMCを上回るとの見方が出ていた。TSMCは今週15日の業績説明会で、現状について明らかにする見通しだ。

10ナノ、インテルが大幅リード

 TSMCはサムスンに差を付けたとの認識の下、10ナノFinFETの研究開発(R&D)に重点を移し、24時間交代勤務で開発を続ける「夜鷹計画」によって2年以内に最先端のインテルを追い抜くことを目標としていた。

 ところが、先月米国で開催された半導体デバイス技術に関する国際会議(IEDM)では、TSMCの10ナノFinFETは技術レベルでインテルに大幅にリードされていることが分かり、2年以内にインテルを追い抜くのは不可能と同会議に参加した業界関係者はみたようだ。このためTSMCは、同社のR&Dを主導していた蒋尚義・元共同営運長(2013年退職)に職場復帰と、今後10年の技術開発戦略の再策定を依頼すると観測されている。

14年売上高、27%増で過去最高

 TSMCが9日発表した昨年の連結売上高は7,628億600万台湾元(約2兆8,400億円)で、前年比27.8%の大幅増となり過去最高を更新した。12月の連結売上高は前月比3.8%減、前年同月比39.9%増の695億1,000万元だった。昨年第4四半期は台湾元安の恩恵を受け、前期比6.4%増の2,225億2,100万元で四半期ベースの過去最高を更新した。

 TSMCは受注見通しが第1四半期末まで立っている。第1四半期は例年の非需要期だが、台湾元安が続いている他、中国のスマートフォン、タブレット端末メーカーが春節(旧正月、今年は2月19日)を前に調達を増やしており、1月の受注状況は昨年12月より明らかに良い。設備稼働率は90%以上を維持しており、今年は生産ラインを止めずに年次検査を行う計画だ。

 証券会社は、第1四半期は営業日が少ないためTSMCも前期比減収となるが、減収幅は5〜10%にとどまると予測。現在の受注状況からみて、3月以降に再び高い売上成長が見られ、第2四半期から設備稼働率がさらに上昇すると予想した。

【図】 

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