鴻海精密工業の子会社、富智康集団（ＦＩＨモバイル）はあす11日、昨年12月下旬より生産を停止していたインド・チェンナイ工場を閉鎖するもようだ。インドの英字新聞「ザ・タイムズ・オブ・インディア」の報道を基に10日付工商時報などが報じた。
ＦＩＨモバイルは、2006年に顧客のノキアと共に同地に進出したが、ノキアは14年４月に携帯電話事業をマイクロソフト（ＭＳ）に買収され、11月に同地での生産を停止。これを受け、ＦＩＨモバイルは工場閉鎖に追い込まれたとみられている。
ＦＩＨモバイルは従業員1,306人に対し解雇手当などを提示し、９日までの回答を求めている。ザ・タイムズ・オブ・インディアによると、ノキアに倣い好条件を用意しており、解雇手当は勤続年数１年に付き２カ月、最高12カ月で、昨年の従業員特別配当（員工紅利）なども支給されるとみられる。
ＦＩＨモバイルは工場閉鎖について「ノーコメント」としている。これについて業界関係者は、インドでは工場閉鎖に政府の許可が必要で、労働組合の反応も影響することから、労使が合意するまで同社はコメントを控えていると指摘した。
