台湾のナイトクラブなどでは、セクシーなユニフォームを着たキャンペーンガールがテーブルの間をビールなどのアルコール類を販売して歩く姿を見かけることが多いが、台中市のナイトクラブでは最近、酒ではなく香水を売って歩く女性が出現している。

　耳をつんざくような音楽が鳴り響くナイトクラブの中、酔って気が大きくなった店の客に香水を買ってもらおうと、ユニフォームに身を包んだ若い女性の売り子たちが笑顔を振りまきながら「試し嗅ぎ」を勧めたり、試供品をプレゼントしたりする。

　そんな商売方法を思い付いたのは台中のある香水販売業者で、店舗の維持費用を節約しようと考え、ナイトクラブで美女が直接販売することで客を口説き落とすことに成功。業績が一気に２倍に成長し、昨年11月にはナイトクラブ内に販売カウンターを設置した。

　このカウンターに、コーチ、ディオール、カルバン・クライン、グッチなど有名ブランドの香水を数多く取りそろえている上、小分けにして販売することで高価な商品を299台湾元からの価格で購入できるようにしている。さらに試供品のプレゼントや割引を実施して購買意欲の刺激に努めている。

　なお売り子の時給の場合250元から、月給制の場合は約４万元。一般の会社員と同様週休２日制が導入されている。かなり条件は良いように思われるが、採用されるには前提としてまず、容姿に優れていることが要求される他、香水に関する専門知識、さらには有名ブランドの商品を嗅ぎ分ける能力を備えていることが必須で、誰でも売り子になれるわけではない。ちなみに男性の売り子も存在し、こちらも容姿など女性と同様の条件が求められる。

　このナイトクラブの常連客によると、薄暗い店の雰囲気と音楽、それに酔った勢いに押され、香水の香りに魅了されて購入することがあるそうだが、ほとんどの場合、その場で知り合った女性にプレゼントするのだという。