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エイサーが倚天買収、スマートフォン本格展開へ


ニュース 電子 作成日:2008年3月4日_記事番号:T00005874

エイサーが倚天買収、スマートフォン本格展開へ

 
 世界3位のパソコン(PC)ブランド、宏碁(エイサー)の王振堂董事長は3日、スマートフォンおよびPDA(携帯情報端末)の倚天資訊を総額約90億台湾元(約300億円)で買収して100%子会社とすると発表した。エイサーは今回の買収を通じてスマートフォン事業を強化し、宏達国際電子(HTC)や華碩電脳(ASUS)に正面から勝負を挑む。PC市場で覇を争い、既にスマートフォンを展開している米ヒューレット・パッカード(HP)に対抗する意図もあるとみられる。4日付経済日報などが報じた。
 
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 今回の買収は、エイサー、倚天とも既に董事会の同意を得ており、両社は6月の同じ日に株主総会を開いて承認を受け、9月に手続きを終える予定だ。当面は倚天ブランドの「Glofiish」の販売を続けるが、第3四半期にはエイサーブランドから1、2機種のスマートフォン関連製品を発売する計画だ。

「買収価格は高すぎる」、批判も
 
 2月にゲートウェイ、パッカードベルの買収を完了させたばかりのエイサーは今回、倚天の株価に22~23%のプレミアムを上乗せして買収するとしており、この買収価格に一部のアナリストからは「高すぎる」との声も上がっている。しかし、スマートフォン市場の需要が必ずしも明確でないことから、「今後さらに注視が必要」と現段階では判断を保留するアナリストが大部分だ。

売上高1兆元への動力源に
 
 王董事長によると、今後売上高1兆元を目指すエイサーは、スマートフォンを成長への新たな原動力と考えており、研究開発(R&D)から製造、販売まで一手に行う倚天に白羽の矢を当てた。倚天の黄杉榕董事長も、「当社の資本金はわずか17億1,600万元で、非主力クラスの市場に注力しているが、リソースの豊富なエイサー陣営に加わることにより大きく成長できる」と期待を語っている。

市場への影響は必至
 
 エイサーは「Glofiish」の知名度によって欧州のスマートフォン市場でシェア獲得に乗り出すと見られ、同市場に強いHTC、ASUSを追撃するとともに、HPのスマートフォン市場への展開に対抗する意図も持ち、HPの受託製造を担う奇美通訊(CMCS)、英華達(インベンテック・アプライアンシズ)、華宝通訊(コンパル・コミュニケーションズ)などには危機感が広がっている。

 業界関係者によると、HPはHTCとのPDA(携帯情報端末)の受託製造関係を終了した後、奇美通訊や英華達などに発注を行っているが、多くの新製品でいまだ通信業者とのテストが終わらず、出荷できない状態だ。通信業者との関係もHTCが優勢を保っており、これもエイサーが直面しなければならない問題と言える。王董事長はライバル企業に関してはコメントを避けているが、「価格こそが王様」の戦略に長けたエイサーが、スマートフォン市場に少なからぬ影響を及ぼすことは必至とみられる。