中国企業に勤務する台湾人の男が６インチガリウムヒ素（ＧａＡｓ）半導体のファウンドリー最大手の穏懋半導体（ウィン・セミコンダクターズ）の社員、元社員に接近し、生産技術データを盗み出そうとしていたとして、桃園地方法院検察署は６日、営業秘密法違反の疑いで７人を取り調べ、うち楊光宇容疑者（44）ら５人を逮捕した。
調べによると、中国四川省の半導体企業に務める楊容疑者は今月中旬、ウィンを退職したエンジニアを通じ、現職エンジニア２人に接触。ウィンの営業秘密に当たる生産技術データの持ち出しに成功すれば、現在の年収（80万～100万台湾元＝約300万〜380万円）の５倍と契約金200万元という破格の条件で中国での就職をあっせんするなどと持ち掛けていた。
事件は現職エンジニア２人が社内システムで担当以外の業務について頻繁に調べていることを不審に思った会社側の告発で明らかになった。
楊容疑者はウィンの現職エンジニアと元社員の計３人を引き連れ、９日にも中国に向かおうとしていたことが分かった。楊容疑者は取り調べ後、記者団に対し、「就職をあっせんしようとしただけだ」などと容疑を否認した。
