ニュース 電子 作成日:2015年11月12日_記事番号:T00060362
華碩電脳(ASUS)の沈振来(ジェリー・シェン)執行長は11日、今年のスマートフォン出荷台数が2,050万台に達するとの予測を示した。前年の2.4倍以上に増え、初めてノートパソコンの通年出荷台数を上回り、台湾最大手ブランドに躍進する見通しだ。来年は前年比46.3%増の3,000万台を目指す。12日付経済日報などが報じた。
市場調査機関IDCは先日、ASUSが今後2年以内に業績不振でPC市場から撤退する可能性があると指摘したが、沈執行長は「そんなことはない」と一蹴した(11日=中央社)
ASUSの第3四半期モバイル端末出荷台数は710万台、うちスマホは550万台だった。第4四半期はモバイル端末全体で前期比26.8%増の900万台、うちスマホは27.3%増の700万台を予想する。来年のモバイル端末出荷目標は前年比35%増の3,600万台。うちタブレット端末が600万台で黒字維持を目指す。
沈執行長は、モバイル端末の出荷台数は今年既にPCを上回っているが、売上高でPCを超えるのは2018年と予測。モバイル端末は今後もASUSの重点分野だと強調した。
沈執行長は、スマホ事業は今年第1〜3四半期に黒字を維持したと指摘。来年は新OS(基本ソフト)へよりスムーズに移行できる見通しで、「ZenFone」第3代機種5大シリーズを投入し、スパートをかけると表明した。
沈執行長はまた、同社スマホの最大市場は来年もインドネシアで、2番目はインドになると予想。新興市場以外に西欧を中心とした成熟市場の開拓も続けると表明した。ただ、中国市場については、複雑で利益を上げるのが困難なため、来年は出荷目標を設定しないとした。
個人向けノート世界首位へ
ASUSの第3四半期PC出荷台数は530万台で、うちノートPCが480万台だった。第4四半期はPC全体で前期比9.4%増の580万台、うちノートPCは8.3%増の520万台と予想。沈執行長は、同業が10月からノートPCの出荷台数を下方修正し始めたが、ASUSの在庫水準は健全で、新製品を追い風に11〜12月も成長が期待できると語った。
沈執行長は、今年のPC出荷は約2,130万台に達する見通しで、来年は2,200万〜2,400万台と世界平均成長率を上回る前年比3.3%〜12.7%増を目指すと語った。けん引役はタブレットにもなる2イン1機種とゲーム用機種で、中でも2イン1機種の出荷比率を今年の10〜20%から20%へ高める目標だ。
沈執行長はさらに、2017年は個人向けノートPCで世界首位を狙い、PC産業の生存競争で勝ち残ると自信を見せた。
為替差損で利益縮小
ASUSが同日発表した第3四半期のブランド売上高は前期比12%増の1,109億8,500万台湾元(約4,200億円)だった。純利益は42億1,500万元で前期比10%減、前年同期比27%減だった。中国、ロシア、ブラジルなどでの為替差損22億8,600万元が響いた。第1〜3四半期純利益は125億5,300万元で前年同期比約2割減少した。
証券会社は、ASUSは第4四半期、スマホ、ノートPCの出荷増により、ブランド売上高は1,200億元と前期比約1割拡大すると予想した。
【表】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722