鴻海精密工業が８日発表した2015年の連結売上高は４兆4,830億9,500万台湾元（約15兆8,000億円）で過去最高を更新したが、前年比6.42%増と市場予想の10%増を下回った。９日付工商時報などが報じた。
鴻海の昨年12月連結売上高は4,096億5,400万元で、前月比20.8%減、前年同月比20.54%減少した。同社は、コンピューティング製品や通信製品はまずまずだったが、消費者向け電子製品の売上高がやや悪かったと説明。証券会社は、鴻海の消費者向け電子製品はアップル製品が大きな比重を占めるため、新型スマートフォン、iPhone6sの需要不振を意味すると指摘した。
鴻海の昨年第４四半期の連結売上高は前期比34.2%増、前年同期比4.6%減の１兆4,300億元で、四半期ベースで過去２番目の高水準だったが、第４四半期売上高の前年割れは12年以来初めてだ。
鴻海の郭台銘（テリー・ゴウ）董事長は先月、昨年通年の業績は前年比１割以上拡大すると予想していた。証券会社は、鴻海の昨年第１〜３四半期純利益は前年同期比27.2%増の939億3,000万元で、第４四半期は人民元、台湾元安に伴う為替差益が期待できるため、通年で増益率１割達成は余裕と予測した。
