張栄発氏死去に哀悼相次ぐ、一代で長栄集団築く


ニュース 運輸 2016年1月21日

張栄発氏死去に哀悼相次ぐ、一代で長栄集団築く

記事番号:T00061634

 長栄集団(エバーグリーン・グループ)の創業者、張栄発総裁(88)が20日午前11時5分、心不全で死去した。海運、航空、倉庫物流、ホテルなどを網羅する「エバー王国」を一代で築き上げた台湾を代表する企業家で、政界、経済界、市民から哀悼の声が相次いだ。今後は、張栄発総裁の第4子で、長栄集団副総裁を務める張国煒・長栄航空(エバー航空)董事長(45)らによる分権体制となる見込みだ。21日付経済日報などが報じた。


張栄発氏は生前、遺産は残らず寄付すると表明していた(中央社)

 長栄集団は、張栄発氏は高齢のため入退院を繰り返し、台湾大学医学院附設医院(台大医院)から自宅に戻った後、亡くなったと説明した。現在、葬儀の準備中で、来週にも弔問を受け付ける。長栄集団の幹部は、張栄発氏は生前に事業承継を進めており、今後の事業に大きな影響は出ないと語った。

 馬英九総統は、海運、航空、民間外交、文化、慈善、公益活動に一生を捧げ、道徳教育に卓越した貢献があったと功績を讃えた。民進党は、つつましく、行動力があり、強い起業家精神で世界一の長栄集団を築いたと評した。

中古船一隻で起業

 張栄発氏は日本統治時代の1927年10月6日、宜蘭県蘇澳鎮で生まれ、日本式の姓名に改め、日本語を話す「国語家庭(国語の家)」で育った。基隆市に転居し、南日本汽船の用務員から、15年間の船員、船長生活を経て、61年、65年に友人と海運会社を設立した後、68年9月、氏名の一部「張栄」から名付けた長栄海運(エバーグリーン・マリン)を設立し、中古船一隻で事業を開始した。

 ばら積み貨物船が主流だった当時、張氏はコンテナ貨物船の需要が増えると見込んで大規模投入し、85年にコンテナ海運で世界首位に登り詰めた。現在は、▽マースク(世界市場シェア14.9%)▽MSC(13.4%)▽CMA CGM(8.6%)──に続く世界4位(4.8%)だ。

 89年にはエバー航空を設立。民間航空会社の多くがリースや中古の機体を採用する中、ボーイングやマクドネル・ダグラスの新機体26基購入に26億米ドルを投じるなどし、中華航空(チャイナエアライン)と並ぶ大手航空会社に導いた。

 さらに、長栄桂冠酒店(エバーグリーン・ローレル・ホテル)を設立してホテル業界に進出。台湾や中国、世界各地に展開した。また、台湾唯一の再保険会社、中央再保険も設立した。

 長栄集団の年間売上高は3,500億台湾元(約1兆2,000億円)近く、資産は4,500億元を超える。

張国煒氏、エバー航空で実績

 後継者と目される張国煒氏は、96年エバー航空に入社し、一社員から総経理まで登り詰めたものの、結婚をめぐる張栄発氏との意見の相違で06年に退職し一時訪米。09年にエバー航空に復帰し、13年に長栄集団副総裁に就任した。これまで「ハローキティジェット」導入や「スターアライアンス」加盟(13年6月)、金城武のイメージキャラクター起用(13年)などの実績がある。

 張国煒氏は、張栄発氏が昨年再婚した女性との間に生まれた子供だ。先妻との間にもうけた息子3人は、長栄集団関連会社の株式を保有しているが、中央再保険の副董事長以外の重要な役職には就いていない。市場では、張国煒氏が航空、先妻の子息らが海運を引き継ぐとの見方が多い。 

台湾流経営策略 台湾の名経営者
第18回 長栄集団総裁 張栄発氏

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