日系初のアウトレットモール「三井アウトレットパーク（ＭＯＰ）台湾林口」（新北市林口区）が27日オープンする。テナント約220店舗がそろい、うち台湾アウトレット初出店は53店舗、「ユナイテッドアローズ」など日系は56店舗と台湾最大規模で、ブランドの充実度がアピールポイントだ。21～25日のプレオープン期間は約2,000台の駐車場がほぼ満車となり、一部飲食店で行列ができる盛況ぶりだった。ショッピング、食事、エンターテインメントが１日中楽しめる日本式アウトレットは春節（旧正月、2016年は２月８日）を目前に控え、順調な滑り出しだ。

三井アウトレット台湾林口は、中国・寧波、マレーシアに続く海外３店舗目だ（ＹＳＮ）
　
初年度目標60億元・600万人

　三井アウトレットパーク台湾林口は、台北市、新北市、桃園市内から車や路線バス、シャトルバスで20～30分、今年開通する桃園機場捷運（桃園空港ＭＲＴ）「林口」駅からは徒歩５分の好立地だ。

　施設内では、有名セレクトショップのユナイテッドアローズが台北２店に続き、「ユナイテッドアローズアウトレット」をオープン。都心在住20代後半～30代カップルやヤングファミリー客層をメインターゲットに定め、40～60％引きのアウトレット商品などを販売する。台北市内に店舗がある「ビームス」、「アーバンリサーチ」も台湾アウトレット初出店。「B.C STOCK（ベーセーストック）」は台湾初出店で、最大70％オフとうたう。

　「snidel（スナイデル）」「gelato pique（ジェラートピケ）」など台湾人にも人気の日本ブランド24店舗のほか、台湾の高級ブランド「SHIATZY CHEN（シャッツィ・チェン）」や、定番の高級ブランド、スポーツ・アウトドアブランドも網羅する。

台湾の暑い夏を想定し、屋内モール、屋外モールで構成されている（ＹＳＮ）

　三井不動産は、台湾は所得水準が高く、消費者のブランド認知度も高いと指摘。正規品を取り扱う日本ブランドなどから本格的なアウトレットを求めるニーズがあったと出店理由を説明した。昨年12月中旬に台湾高速鉄路（高鉄）桃園駅前でオープンした華泰名品城（グロリア・アウトレット）など競合については、▽北部最大規模▽約95％の店舗が一挙オープン▽約25％を占める豊富な日本ブランド▽スーパーマーケットなど生活密着──で差別化できると強調した。

　百貨店と違い、オールシーズン安く、ゆったりと買い物を楽しめるので、景気の影響を受けないことも強みで、初年度目標は売上高60億台湾元（約210億円）、延べ来店者数600万人だ。三井不動産は、チャンスがあれば、２店目以降の出店を検討すると明かした。

人気の日本食店続々

　2013年から急増する台湾人旅行者の訪日目的が日本食とショッピングであること、および外食の多い食習慣に目を付け、施設内の飲食店は約50店と、日本より高い割合を占める。台湾人に食べてみたい店をアンケート調査して誘致し、レストランは▽ハワイアンバーガーショップ「クア・アイナ」▽抹茶＆日本茶カフェの「nana’s green tea（ナナズ・グリーンティー）」──、フードコート（約600席）は▽「つけめん玉（ぎょく）」▽「博多長浜らーめん田中商店」▽「グリル満天星」──など、16店が台湾初出店だ。

セガの新施設も

　セガの知育アミューズメント施設では、参加者が自由に色を塗り、スキャンすれば、魚のイラストが壁の大画面で泳ぎだし、タッチすれば反応するというチームラボの「お絵かき水族館」や、ボール８万個の大型ボールプールなど４種類のコンテンツが親子で楽しめる。入場料は１人２時間280元、２人480元（期間限定）。最大120人収容可能だ。セガの担当者は、この台湾１号店が成功すれば、各地に展開したいと語った。

日本で人気の「お絵かき水族館」は台湾初上陸だ（ＹＳＮ）

　高級スーパー「ジェイソンズ・マーケット・プレイス」、日系ドラッグストア「TOMOD’S（トモズ）」が出店するほか、無料貸出のベビーカー40台や授乳室も設置。三井不動産が70％、遠雄企業団（ファーグローリー・グループ）の遠雄建設事業が30％出資し、運営管理を担う三新奥特萊斯の和田山竜一総経理は、住宅地に囲まれているので、日常的にも利用してほしいと語った。さらにシネマコンプレックス「威秀影城（VIESHOW CINEMAS）」が後日オープン予定だ。