ニュース 社会 作成日:2016年2月1日_記事番号:T00061827
100%「メード・イン・タイワン」のロケット開発を目指し、研究を進めている交通大学の「先進ロケット研究センター(ARRC)」は31日、新竹市の湿地で2段式小型ロケットの発射実験を行い、見事連結部の切り離しに成功した。今回の成功までに開発チームは約1年以上の期間を費やしており、打ち上げられたロケットの2段目が無事切り離された瞬間、地上で見守るメンバーから大きな歓声が上がった。
今夏は飛行距離100キロメートル達成を目指す(フェイスブックページより)
純台湾製ロケットの開発チームは、全土6大学から集まった各分野の教授と大学院生約40人から成る。このチームの中心となる交通大学・機械系の呉宗信教授、および台北科技大学・電子工学系の林信標教授、成功大学・エンジニアリング科学系の何明字副教授の3人は米国留学中に知り合い、その後台湾に戻って各大学で研究を続けるかたわら、政府が推進するロケットによる宇宙探査計画に参画した。
しかし同計画が2008年に突如中止となった際、3人は、自分たちの専門分野を合わせればロケットを完成させられると考え、自らの手で開発を進めることを決めた。
ロケット開発は一度実験に失敗すれば数百万台湾元の資金が一瞬で水の泡となるが、呉教授は「ロケットを作るには心臓が強くなければならない」「失敗を恐れるな」と開発チームのメンバーを鼓舞。政府からの支援が得られない中、あらゆる機会を捉えて自ら寄付金集めに奔走した。
当初はロケットの発射台にステンレス製の洗濯干しや木製の枠に手押し車で固定したものを使用するといった状況だったが、彼らの事業は徐々に世間に知られることとなり、「台湾人の手でロケットを」という夢に多くの企業から賛助金が集まった。
呉教授は、受託生産を中心とする台湾の製造業のボトルネックについて、利益が薄いため従業員の給与を抑制せざるを得ず、人材の流出を招き、技術開発や製品の自社開発ができないと指摘。純台湾製のロケット開発を成功させることで、台湾のハイテク業界に新たな時代を切り拓きたいと抱負を語っている。
なお開発チームは今年中旬に屏東県で大型ロケットの発射実験を行う予定で、今回の切り離し成功にチームは自信を深めたという。台湾製ロケットを宇宙に送り出すという夢は、実現に向けて着実に歩みを進めているようだ。
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