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UMCとエルピーダ提携、日本市場を開拓


ニュース 電子 作成日:2008年3月18日_記事番号:T00006185

UMCとエルピーダ提携、日本市場を開拓

 
 半導体ファウンドリー大手、聯華電子(UMC)は17日、DRAM大手エルピーダメモリと、日本国内におけるファウンドリー事業を共同で進めることで合意したと発表した。また、UMCと協力関係にある中国・和艦科技も、エルピーダと合弁で蘇州市にDRAMの12インチウエハー工場を設立するとの観測が出ている。18日付工商時報はこれについて、UMCによるDRAM市場再進出の布石との見方を示している。

ファブライト化による需要に対応

 UMC、エルピーダ双方の発表によると、両者は日本の半導体垂直統合型デバイスメーカー(IDM)をターゲットに、UMCがIPサポートおよびロジックに関する技術を提供、エルピーダが東広島市の12インチ工場の生産ラインを提供してシステムオンチップ(SoC)などの先端製品の製造を行う。

 UMCによると、今回の提携は、ファブライト化(半導体の製造資産を軽くし、設計・開発に注力する)が進む日系半導体メーカーの、ファウンドリーに対する需要の高まりに応えるものだという。また技術的バックグラウンドが異なるため、双方の強みを生かせ、互いに有利な提携となるとの考えを示した。

 また、業界関係者によると、UMCは宣明智同社名誉副董事長の主導で、日本子会社UMCJと傘下のシリコン知的財産権研究開発の智原科技(ファラデー・テクノロジー)の、日本における業務統合を進めており、今回の提携は智原にとっても日本市場での商機獲得に役立つとみている。
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蘇州市が積極誘致?

 17日開幕した中国半導体展(セミコン・チャイナ)では、UMCの曹興誠名誉董事長らが設立を支援した中国蘇州市のファウンドリー、和艦科技が、エルピーダおよび蘇州市政府と合弁で新会社「和発科技」を第2四半期に設立し、12インチDRAM工場を設置するとの観測が話題となっている。初期投資は20億米ドルで蘇州市が半分を出資し、月産能力は3万個になるとされている。

 和艦科技はUMCと深い関係を持ち、同工場が設立されれば将来エルピーダのOEM(相手先ブランドによる生産)を請け負うだけでなく、UMCのDRAM市場展開に対しても協力が行われる可能性も浮上してくる。なお、和艦科技の広報は17日、「市場のうわさにはコメントしない」と語っている。

 和艦とエルピーダの合弁12インチ工場は今年初め、江西省南昌市に設置することで一致していたとされるが、蘇州市がより有利な支援策を打ち出すなど、工場誘致に積極的な働き掛けを行った結果、蘇州市に決定したと伝えられている。

 この提携が実現すれば、新会社「和発科技」は韓ハイニックスの無錫工場に続く、中国で2番目の標準型DRAM工場となる。

DRAMに長期低迷観測

 なお、供給過剰により世界的にDRAM価格が下落する中、生産拡大にブレーキを掛けているのは台湾メーカーのみで、韓国、日本、米国とも中国での生産能力を拡充しており、DRAM市場の景気は長期にわたり回復が難しいとの見方が強まっている。