ニュース 社会 作成日:2016年2月4日_記事番号:T00061899
韓国のテレビ番組で中華民国の国旗を振った台湾人女性アイドル、周子瑜(チョウ・ツウィ、16)を「台湾独立分子」と批判した台湾出身の歌手、黄安(53)が先日、活動の拠点とする中国から3日に帰台すると予告していたことから、同日、彼の言動に怒りを抱いていた市民らが、「歓迎」のため台湾各地の空港に大挙して押し掛けた。しかし、黄安はこの日、空港に姿を見せず、多くのインターネットユーザーなどから「臆病者」などと非難の声が上がった。
作家の馮光遠氏(左2)も桃園空港に駆け付けたが無駄足となってしまった(3日=中央社)
黄安はここ数カ月の間、中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボー)で、歌手の林宥嘉や盧広仲(クラウド・ルー)、コメディアンのNONO(陳宣裕)など台湾の芸能人の名を次々に挙げて、「台湾独立に関わる活動や言論を行った」と批判。中国のネットユーザーから「台独キラー」の称号で呼ばれていた。
こうした中、批判された周子瑜が「中国は一つだけだ。わたしは中国人として誇りを感じている」との声明文を読み上げて謝罪する事態に追い込まれたことをきっかけに、台湾では黄安に対する怒りが爆発。直後に行われた総統・立法委員選挙で、中国と距離を置く民進党の圧勝に影響を及ぼしたとも言われている。
そんな黄安は先月17日、2月3日に帰台して記者会見を開き、「周子瑜事件」について自分の正当性を証明すると宣言。これを受けて台湾のネット上では空港で「歓迎」しようと呼び掛ける声が上がり、短期間で6万人もの賛同者を集めた。中には空港で黄安に投げ付けるための生卵の画像を投稿する者もあった。
そして迎えた3日、黄安がどの空港から台湾入りするか不明だったため、桃園国際空港、台中清泉崗空港、高雄国際空港(小港空港)に大勢の抗議者が詰め掛けて彼の登場を待ち受け、警察も混乱に備えて警備態勢を強化した。
しかし同日正午ごろ、警察が航空会社の乗客名簿を確認したところ、その中に黄安の名はなく、この日、彼が入境することはないと判明し、空港での待機は空振りに終わった。ネット上には「戻ってくる勇気がないのか」「もう帰ってこなくていい」などのコメントがあふれた。
ただ一方で、一部のネットユーザーからは「こういうタイプの人間は相手にしないのが一番」「卵を投げ付けたりするのは彼と同レベルの行為だ」などという理性的な声も聞かれた。
なお黄安は既に中国の国籍を取得したとの指摘が上がっているが、これに対し内政部移民署は「台湾住民は大陸(中国)地区での戸籍登録や旅券の取得を禁じられており、彼の大陸籍取得が事実と判明すれば、台湾籍を抹消する」とコメントしている。
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