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「故郷の島に帰りたい」、片道8時間のヨット通勤敢行


ニュース 社会 作成日:2016年2月5日_記事番号:T00061924

「故郷の島に帰りたい」、片道8時間のヨット通勤敢行

 澎湖諸島の一部を成す東吉島は、台南市から約50キロメートルの距離だが、飛行機と連絡船を乗り継いで移動した場合、まる1日以上の時間がかかる。その東吉島出身で高雄市に住む鄭明成さん(44)は、ふるさとにもっと頻繁に帰りたいと考え、ヨットの購入を決意。同島でガイドの仕事も得て、片道8時間以上の「ヨット通勤」を行うようになった。

 東吉島出身の鄭さんは、中学卒業後、家族とともに台南市へ移住した。そこで便利な暮らしを送っていたものの、生まれ故郷が忘れ難く、いつも心の中に東吉島の漁村の風景を思い描いていた。しかし、東吉島へ帰りたくても交通が不便なため、そうたびたび実現することはなかった。

 そこで鄭さんは自分の手でヨットを操って帰ろうと考え、2011年にかつて太平洋横断に使用されたこともあるヨット「愚路号」を購入。妻の名前を取って「麗玫号」に改めた上で、東吉島への航海を行った。

 現在、「麗玫号」は高雄市の港に停泊しており、そこから東吉島までは早ければ片道8〜9時間、ゆっくり進めば11時間ほどかかる。さらに潮の流れが速い危険海域とされる「澎湖水道」を横切らなければならないため、小さなヨットでの航海には漁師からも「勇気がある」と驚きの声が上がっている。

 なお14年に東吉島を含む「澎湖南方四島国家公園」が設置されたことをきっかけに、鄭さんは臨時のガイド兼環境保護員に採用され、月に20日の勤務を終えた後、ヨットで高雄へ戻り10日間の休暇を過ごすという、おそらく台湾初の「ヨット通勤者」となった。

 鄭さんは昨年11月にガイドの仕事をやめ、次の夢である世界一周旅行計画を練っており、奥さんの許可を待っている状態だそうだ。