ホテル業界は今年、過去最悪の人手不足に直面する見通しだ。ここ数年、ホテルは急ピッチで増え続け、既に平均１〜２割の人手不足となっていたが、今年は凱撒飯店連鎖（シーザーパークホテル＆リゾート）などの新規開業に伴い、業界の人手不足は9,000人に上ると予想されている。海外からの観光客の増加で急速に成長してきたホテル業界は、顧客開拓だけでなく人材確保が大きな課題となっている。５日付経済日報が報じた。

　台湾ではここ１年、▽台北万豪酒店（台北マリオット・ホテル）▽台北六福万怡酒店（コートヤード・バイ・マリオット台北）▽台北美福大飯店（グランド・メイフル・ホテル台北）──や、スターウッド・ホテル＆リゾートの桃園大渓笠復ウェスティン度假酒店、澎湖福朋喜来登酒店（フォーポイントバイシェラトン澎湖）など大型ホテルが相次いでオープンした。今年は▽力麗集団（LEALEAグループ）の「宜蘭力麗ウェスティン渡暇酒店」▽福容大飯店（フーロン・ホテルズ・アンド・リゾーツ）の「台湾桃園国際機場捷運（桃園空港ＭＲＴ）Ａ８駅館」▽国賓大飯店（アンバサダーホテル）のａｍｂａブランド「台北松山意舎酒店」▽シーザーパークホテルの「万華凱撒」（台湾鉄路万華駅付近）と「新板凱撒」（新北市板橋区）──などが開業予定だ。

　経済日報の調査によると、シーザーパークホテルは今年2,000人、マリオット・インターナショナルは320人、アンバサダーホテルは230人を新規採用する。これに晶華麗晶酒店集団（ＦＩＨリージェントグループ）などを加えた主な観光ホテルグループ14社合計の求人数は約4,000人に上る。

　交通部観光局の統計によると、観光ホテル、一般ホテル、民宿を合わせたホテルの数は2008年の6,486軒から昨年1万25軒に増加。ホテル業の就業者数は08年の５万5,700人から昨年８万9,500人に増えた。教育部の統計によると、観光、飲食、ホテル関連の学部・学科は学生の増加ペースが最も速いが、関連業界の人材需要に追い付けていない。Ｗホテル台北の張淑娟・人力資源総監は、ホテル・飲食業界で働く意欲のある卒業生の数は業界の需要を大きく下回っていると指摘した。

　ＦＩＨリージェントグループの劉富美・人力資源副総経理は、台湾の人材は優秀で、台湾のホテル・飲食業者だけでなく、中国、香港、シンガポールなどの業者も学校で積極的に採用活動を行っていると指摘。大手ホテルグループはこれまで簡単に実習生を採用できたが、昨年第４四半期に初めて実習生の募集枠が埋まらなかったと明らかにし、「実習生不足は今年の人材採用に不足が出ることを意味する」と懸念を示した。

競争激化・少子化が影響 

　ホテル業界は競争が激しく、宿泊料金を上げにくいことが従業員の給与に影響している。飲食関連の学部を持つ学校の主管は、高い給与で人材を確保したいホテルも同業の恨みを買うのを恐れ、抜け駆けして昇給を実施できないと指摘した。

　ホテル業者は、今年は満18歳の人口がわずか26万人と、数年前の32万人を６万人下回っており、少子化が進む中でいかに人材を引き付けるかが各ホテルの最大の課題になっていると話した。

　こうした中、アンバサダーホテルは昨年末に台北松山意舎酒店の求人活動として、応募者にジーンズ着用の気軽な雰囲気で面接を受けてもらうパーティーを開催した。同様の求人活動を早くから始めていたWホテル台北だけでなく、多くのホテル業者がパーティー形式の求人イベントを催し、若年層の引き込みを図るようになっている。

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