ニュース 社会 作成日:2016年2月16日_記事番号:T00061979
台北市の忠孝橋につながる高架接続道路の撤去作業が春節(旧正月)連休中に終了し、高架の支柱などによって見えにくくなっていた一級古蹟「台北府城北門(承恩門)」の全貌をはっきりと目にすることができるようになった。しかしその結果、北門のレトロな美しさと対照的に周辺ビルの広告や看板の乱雑さが目立つ格好となり、現地を視察した柯文哲台北市長は、同エリアの広告物設置に規制を導入する考えを示した。
後方の広告や看板が北門エリアの景観を損ねている(中央社)
撤去工事を経て北門周辺エリアは現在、見通しが非常に良い状態となっており、多くの市民が見物に足を運んでいる。またインターネット上では、高架道路があった場所の北側から見ると、清朝時代に完成した北門と、その東側にある日本統治時代に建てられた台北郵便局(三級古蹟)、そして西側にある中華民国政府が台湾に移って以降に建てられた民間ビルの「3時代の建築文化を同時に見ることができる」と話題になっている。
しかし、北門と台北郵便局に比べると民国時代のビルは外壁の汚れがひどい上、フロアごとに横断幕状の壁面広告が貼り付けられているほか、屋上部分にも巨大な看板が設置されており、いかにも乱雑な見た目となっており、その醜さを指摘する声が上がっている。
これに対し一部のネットユーザーは、「国が管理する建物と民間のビルを比べることはできない」、「当時は『反攻大陸(武力による大陸領土の奪還)』に忙しく、建築物は機能性重視だった」と擁護する声も出ている。しかし、別のユーザーは日本時代に建てられた台湾鉄路(台鉄)基隆駅と中華民国時代に改築された同駅の写真を比較した上で「政府管理の建物でも中華民国時代のものは美しくない」と指摘して、賛同を集めている。
14日に現地の交通状況を視察した柯台北市長も北門周辺の広告や看板、街灯が景観を壊していると感じたようで、同市都市発展局(都発局)に対し改善を指示した。都発局は、同エリアにおける広告物設置に規制を導入する考えを示し、景観から猥雑(わいざつ)さを排除する「単純化」と、点滅するネオンサインのような照明の使用禁止の方針を掲げている。
ただ現在、合法的に設置されている広告物をただちに撤去することはできないため、規制の効果が表れるのはしばらく先のこととなりそうだ。
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