ニュース 社会 作成日:2016年2月17日_記事番号:T00062002
先月24日前後に台湾を襲った記録的な寒波により高齢者を中心に死者の数が通常に比べ大幅に増えた上、春節(旧正月、今年は2月8日)前日から新年5日目にかけては葬儀を行わないという習慣があるため、台北市や新北市の葬儀場では霊安室が「満室」状態となっている。
新北市の葬儀社関係者によると、今年の冬は高齢者を中心に死者の数が例年の2倍に増えており、昨年末から春節期間中、毎日のように申し込みの電話を受け続けているそうだ。
こうした中、同市では冷蔵機能を備えた霊安室には622人の遺体が収容可能となっているが、春節前の寒波による死者の増加で空きが50人分まで減少。さらに連休中に200人以上の死者が出たことから、一時は約160人の遺体が収容できず、臨時に設置されたベッドに寝かされ、冷蔵室や通路上に保管された。
遺体が人目にさらされる場所に置かれたことに腹を立てた遺族が葬儀場関係者をののしるといったケースもあったようだが、おとなしく順番を待つ以外になく、中には葬儀社の提案を受けて霊安室での安置を省略して、直接棺の中に遺体を入れ、腐敗を防ぐといった措置を取る遺族もあった。
新北市では春節明け6日目の13日から葬儀を再開し、1日に30〜40人分の遺体が霊安室を出ており、満室状態は22日に解消される見通しだ。なお霊安室の外に遺体を置く場合はドライアイスの備え付けが必須となるが、その費用は遺族の自己負担で、1日当たり約1,200台湾元が別途必要となる。
また、台北市でも最大収容数894人分の霊安室が春節明け4日目に全て埋まり、約40人分の遺体が臨時に設置されたベッドに保管されたという。このため今月28日の休業日にも葬儀を行うなど対応策を講じており、こちらも22日には満室状態が解消される見込みだ。
一方、台湾南部地震によるビル倒壊で多くの死者が出た台南市では、移動式の霊安設備を調達して対応に当たっているため、現時点で霊安室の不足は起きていない。
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