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台湾が70年代に核開発、米国が阻止


ニュース 政治 作成日:2016年2月22日_記事番号:T00062081

台湾が70年代に核開発、米国が阻止

 台湾が1970年代後半に核兵器に転用できる原子力技術の開発に取り組み、米国が2度にわたって阻止していたことが、最近機密指定が解除された米国政府の2件の公文書によって明らかとなった。21日付聯合報が報じた。

 同文書によると、カーター大統領就任数カ月前の1976年9月、台湾は核兵器開発計画を永久に放棄することで米国と合意し、当時の蒋経国行政院長が放射性廃棄物の再処理施設を設けないことを約束した。台湾はこの直前、核兵器に応用できるプルトニウムと濃縮ウランの抽出に取り組んでいることが国際原子力機関(IAEA)より確認されていた。 

 しかし台湾はレーザー法による濃縮ウラン抽出の取り組みを継続したため、米国は78年、必要な原料の海外調達をやめさせると示唆して蒋政権に警告した。

 台湾はそれでも核兵器の開発計画を諦めなかったが、88年、行政院原子能委員会(原能会)関連の研究に取り組んでいた核物理学者の張憲義氏が米中央情報局(CIA)に取り込まれ、米側に機密資料を提供した結果、開発を継続できなくなった。

 台湾の核兵器保有計画をスタートさせたのは蒋介石総統で、背景には中国による64年の核実験成功に深刻な脅威を感じたことがあった。しかし米国は、台湾が核兵器を保有すれば中台関係が大幅に緊張すると判断して開発を断念させた。