ニュース 電子 作成日:2016年2月22日_記事番号:T00062104
液晶パネル大手、群創光電(イノラックス)は台湾南部地震で被害を受けた南部科学工業園区(南科)の第6世代工場(月産能力24万枚、ガラス基板ベース)の復旧が遅れており、同社が世界で唯一生産する39.5インチのテレビ用パネルが供給不足に陥っている。地震後にサムスン電子などテレビブランドからの発注が相次いだことも原因だ。市場調査会社、IHSテクノロジーの謝勤益シニア研究総監は21日、39.5インチパネルの供給不足が改善するのは、同工場が全面再開する3月初め以降と予想した。22日付経済日報などが報じた。
謝シニア研究総監によると、イノラックスは南部地震で第5、第6世代工場が被害を受けた。このうち第5世代工場の復旧は順調だが、第6世代工場は生産工程の3分の1が依然復旧できていない。同工場での生産量のうち39.5インチパネルが70%以上を占める。
こうした中、サムスンやLGエレクトロニクス、中国家電大手のTCL集団からイノラックスへの39.5インチパネル発注が相次ぎ、他のテレビブランドも同パネルの調達を拡大している。
イノラックスは南部地震による被害状況を公開していない。同社は21日、最新の復旧状況は営業日のきょう22日に分かるとのみコメントした。
なおパネル市場では、サムスンディスプレイの40インチパネルの生産工場で、厚さ0.5ミリメートルのガラス基板から0.4ミリへの転換が順調にいっておらず、同パネルの供給も不足気味だ。
設備エンジニアの来台遅れ
台湾パネル業界は南部地震で被害を受けた工場設備の復旧を設備メーカーのエンジニアに依頼しているが、メーカー側の対応が遅れている。イノラックスや瀚宇彩晶(ハンスター)の場合、メーカーのエンジニアが中国で設備設置作業に当たっているため、台湾入りが遅れている。
一方、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)も地震による被害を受けたが、日本人設備エンジニア100人以上の急派を受け、直ちに復旧に当たり、生産にはほとんど影響が出なかった。背景には設備投資を渋ってきた台湾パネル業界に対する、メーカーの「差別待遇」があるとの指摘も聞かれる。
新董事長に王志超総経理か
なおイノラックスは6月の株主総会で役員改選を行う予定で、段行建董事長が定年退職する可能性があるため、王志超総経理(54)が新董事長に就任するとの観測が浮上している。王総経理は鴻海グループ傘下でパネルの応用を開拓する「Kサブグループ」を率いており、新董事長に就任すれば、イノラックスは鴻海グループの台湾域内リソースを結集してパネル事業を強化できる見込みだ。
観測についてイノラックスは21日、ノーコメントとしたが、段董事長が「今後の進退は第2四半期初めに明らかになる」と発言していたことを明らかにした。
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