ニュース 社会 作成日:2016年3月1日_記事番号:T00062213
柯文哲台北市長(56)が27〜28日、台湾最北端の富貴角灯台(新北市)から最南端の鵝鑾鼻灯台(屏東県)までの約520キロメートルを自転車で走破した。天候の悪さもあって所要時間は28.5時間と、目標としていた24時間以内のゴールはかなわなかったが、柯市長は「全力を尽くした」と取材陣に話し、その意志の強さを印象付けた。
柯市長(右2)の声明は約9分間に及び、歴史を教訓にして悲しみから抜け出そうと訴えた(28日=中央社)
サイクリング好きとして知られる柯市長は今回の挑戦に先がけ、1月9日に台北市〜高雄市まで380キロを約20時間で走破している。今回は、本来の目標だった台湾最北〜最南端の走破を目指し、27日午前5時26分に富貴角灯台を出発した。
しかし当日、台湾北部は朝から冷たい雨に見舞われ、気温は10度まで低下した。厳しい状況の中、柯市長は正午過ぎに苗栗県に到着した際、まだ4分の1しか進んでいないにもかかわらず、「もう体力は半分しか残っていない」と疲れた表情で弱音を吐いた。しかし予定より22分遅れで到着した彰化県での休憩の後、100人近くの市民から「がんばれ」とエールを送られると笑顔で応じた。
その後、28日午前0時過ぎに台南市から高雄市に入り、1時30分に同市楠梓区で休憩。水分を補給した後、再出発したものの、高雄国際空港を通過した2時50分ごろに、再度ペダルを漕ぐ足が止まった。異常発生かと思いきや、同行スタッフから「お腹が空いたそうです」と声が上がった。
ここで約30分の休憩を取り、エネルギーを補給して力強い走りを取り戻した柯市長は、午前4時に屏東県に入り、約100人の市民が出迎える中、予定より4時間半遅れの午前10時2分に鵝鑾鼻灯台に無事到着した。
なお2月28日は、国民党政府が台湾住民を弾圧した「228事件(1947年)」から69周年に当たり、台北市でも同日、228平和公園で追悼記念式典が行われた。同式典を欠席したことには批判の声も上がったが、鵝鑾鼻灯台に到着後、柯市長は同事件がきっかけで祖父を亡くした遺族の1人として声をつまらせながら声明を読み上げた。その中で「過去の涙には恨みが含まれていたが、汗を流して寛容と理解の未来を開きたいと考えた」と語り、今回の挑戦には228事件を乗り越えていく彼なりの意図が込められていたことを示した。
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