ニュース 社会 作成日:2016年3月14日_記事番号:T00062966
現在行われている米グーグル傘下の人工知能(AI)開発ベンチャー「ディープマインド」が開発した囲碁ソフト「アルファゴー」と、「世界最強」と称される韓国人プロ棋士、李世乭(イ・セドル)氏との対局(5番局勝負)でアルファゴーがいきなり3連勝したことが話題となっているが、このソフトの開発には台湾人研究者が大きな役割を果たしていた。
李氏(中)は13日行われた第4局で初めてアルファゴーに勝利。すでに勝敗は決まっているが、最終局は15日に開催される(中央社)
李氏との対局でアルファゴーに代わって碁盤に碁石を置く係を担当した黄士傑さんは台湾出身の研究者で、しかも同ソフトの開発に当たったディープマインドの首席設計者を務めている。
彼は台湾師範大学情報工学系を卒業した後、同大の大学院に進み、人工知能の研究を進め、2010年にコンピューター囲碁プログラム「ERICA」を開発。当時世界最強のプログラムとされていた日本の「Zen」を打ち負かし、さらに日本で行われたコンピュータプログラムを競わせる競技会「コンピュータオリンピアード」の囲碁(19路盤)部門で金メダルを獲得した。
その後、黄さんは11年に博士号を取得した後、海外へ渡り、カナダで研究員を務めた後、12年にディープマインドにシニア研究員として招聘され、現在では400余りの従業員を抱える同社において2人しか存在しない首席設計者の1人まで上り詰めた。
今回の対局でアルファゴーが3連勝したことに対し、ネット上の世界の囲碁ファンから「李氏の技術は大したことがない」「アルファゴーチームとの間に密約ができていた」といった声が上がっている。これを受けて黄さんは「両者の間に密約は存在しない」と強く否定した上で、「今回の挑戦を受けて立った李氏は大きなプレッシャーにさらされたはずで、勝敗にかかわらず敬意を受けるべきだ」と強調した。
黄さんは師範大学では囲碁サークルの部長を務めたことのある囲碁愛好家でもある。開発に関わったソフトに代わり、自分の手で李氏に引導を渡す一手を碁盤の上に置いたわけだが、囲碁愛好家としては人類がコンピューターに負けた瞬間、その胸中は複雑だったに違いない。
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