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台北MRT20年、年間延べ7億人が利用


ニュース 運輸 作成日:2016年3月28日_記事番号:T00063220

台北MRT20年、年間延べ7億人が利用

 台北MRT(都市交通システム)は28日、1996年3月28日の開通から20周年を迎えた。旅客輸送量は開通当初1年間(96年4月~97年3月)の延べ1,460万人から15年には延べ7億1,750万人と約50倍に増え、市民・観光客の足としてすっかり定着した。新路線の開通、再編を経て路線数は現在5本。建設中の環状線、万大線や、計画段階の民生汐止線、新北市のライトレール(軽量軌道交通、LRT)が開通すれば、全路線の総路線距離は270キロメートルと現在の約2倍に広がり、利便性はさらに高まる。28日付中国時報が報じた。

/date/2016/03/28/00top1_2.jpg台北MRTはきょう28日、同日生まれの人は身分証などの提示で、無料で乗車できる(同社リリースより)

 台北MRT20周年までの道のりは平坦ではなかった。台北MRT1本目の木柵線は開通前のテスト時にブレーキシステムのトラブルで車両から煙が出るなどし、開通時期の延期を余儀なくされた。その後、97年3月に淡水線(当時は淡水~中山)、98年12月に中和・新店線(当時は台北~古亭)、99年12月に板南線(当時は龍山寺~市政府)が相次いで開通した。しかし、01年9月には台風16号(アジア名・ナーリー)上陸で、板南線、淡水線などの16駅が浸水し、運行停止に見舞われた。最も地下深い台北駅は排水作業に15日間かかり、板南線の全線復旧には3カ月後を要した。

 02年6月にはICカード乗車券の「悠遊カード(イージーカード)」を導入した。07年7月に猫空ロープウエーが開通したのに続き、09年7月に内湖線(木柵線と合わせて文湖線に)、10年11月に蘆洲線、12年1月に新荘線、13年11月に信義線、14年11月に松山線が続々と開通し、郊外からの通勤や、観光がますます便利になった。

 一方、14年5月には板南線で、鄭捷被告(犯行当時21)による無差別殺傷事件が発生し、4人が死亡、24人がけがを負った。この惨劇で、MRT乗車への不安感が広がったものの、警察が駅や車内を巡回するなど安全対策に務めた。

 台北MRTは路線網が充実しており、飲食禁止で清潔、座席を譲り合うなど乗車マナーが良いなどハード・ソフトの両面で外国人観光客にも好評だ。公共交通として今や世界水準に達したと言えそうだ。

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下半期、運賃割引見直し

 台北MRTの運賃は17年間変わらず、悠遊カード利用で運賃2割引が適用になる。台北MRT運営会社の台北大衆捷運(TRTC)の顔邦傑総経理は27日、1カ月の「定期券方式」導入など、下半期に運賃制度を見直す考えを示した。顔総経理は、年に1回しか乗らなくても年に1,000回乗っても割引率が同じなのは不公平だと語った。

【図】