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4月新車販売前年並み、日本輸入車は円高値上げか


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2016年5月3日_記事番号:T00063898

4月新車販売前年並み、日本輸入車は円高値上げか

 4月の新車登録台数は3万4,953台で前月比7%減、前年同月比0.8%増、1~4月累計は14万1,503台で前年同月比0.1%増にプラス転換した。新車買い換えに対する5万台湾元(約16万5,000円)の貨物税(物品税)減免措置のほか、円高進行によって日本輸入車が今後値上げされるとの予想が購買意欲を刺激した。各社が5月に新車発表を予定しているほか、裕隆日産汽車が「マーチ」特別仕様車を49万9,000元と、台湾生産車で過去最低価格まで引き下げるなど、夏季休暇の需要期を前に、早くも競争が激化している。3日付工商時報などが報じた。

/date/2016/05/03/00luxgen_2.jpgラクスジェンは「S3」発売で今年の台湾新車販売が2万台、中国新車販売が1万台増えると予測した(同社リリースより)

 トヨタの台湾総代理店、和泰汽車は、4月の新車登録台数が1万653台(前月比7.8%減、前年同月比3.6%減)で首位を維持したが、市場シェアは30.5%まで下がった。主力の台湾生産小型車、「ヴィオス」と「ヤリス」の新モデル発売を5月に控え、4月は供給不足が深刻だった上、熊本地震で人気の輸入SUV(スポーツ用多目的車)「RAV4」のサプライチェーンが打撃を受けたためだ。

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 2位以下は▽中華汽車工業(チャイナ・モーター、CMC)、3,895台(前月比10.6%減、前年同月比11.4%増、市場シェア11.1%)▽裕隆日産、3,628台(前月比0.8%増、前年同月比15.7%増、市場シェア10.4%)──と続いた。

 輸入車専門に転じた台湾馬自達汽車(マツダモーター台湾、MMT)は2,541台(前月比56.6%増、前年同月比47%増)で市場シェア7.3%となり、4位に浮上した。4月に円が急上昇したため、輸入車は今後大幅に値上げされるとの予想が広まり、消費者が購入を急いだこと、および「マツダ3」(日本名・アクセラ)や「CX-5」など人気の車種が大量に港湾に到着し、納車されたことが理由だ。

需要期短く新車続々

 例年4月は春節(旧正月)後に当たり、5月は総合所得税(個人所得税)や房屋税(建物固定資産税)の納税期間で、新車購入の意欲が下がるため、自動車各社は販売に力を入れない。ただ今年は下半期の景気見通しが不透明な上、5月に政権交代、7月にタイヤ空気圧監視システム(TPMS)搭載義務化が控えており、新車発表や販促キャンペーンが前倒しで実施されている。自動車や住宅など大きな買い物には縁起が悪いとされる旧暦7月「鬼月」が今年は8月3日~31日で、夏季休暇の需要期が短いことも理由だ。

 和泰汽車は、5月も販売代理店への報奨金上乗せや、新車買い換えに対するダイキン工業の空気洗浄機(1万6,800元相当)プレゼントなどを続行するほか、新型「ヴィオス」と新型「ヤリス」を発売し、新車登録台数1万1,500台を目指す。

 裕隆日産は、新車買い換えに対する最高10万元の優遇措置に加え、5月末まで「マーチ」を3万~3万6,000元引きとし、値引率は最高25%に上る。

 裕隆企業集団は先日北京で、自社ブランド「LUXGEN(ラクスジェン)」初の入門モデル「S3」を発表した。台湾では5月25日、中国では9月に発売されるとみられ、中国での価格は7万人民元(約115万円)からとなるようだ。

 韓国・現代自動車の総代理店、三陽工業(SYM)は、5月12日に台湾生産の中型SUV「ツーソン」を発表する予定だ。予約販売期間の当初1週間で250台を受注しており、12日までの3週間で500台を超えると見込む。

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