ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

イノテラ子会社化中断、背後に中国企業の影


ニュース 電子 作成日:2016年6月14日_記事番号:T00064666

イノテラ子会社化中断、背後に中国企業の影

 米半導体メモリー大手、マイクロン・テクノロジーが台塑集団(台湾プラスチックグループ)とのDRAM合弁、華亜科技(イノテラ・メモリーズ)の完全子会社化手続きを中断した背景には、マイクロンに接近する中国企業の影が見え隠れする。

 14日付自由時報によると、業界内では、中国の国有半導体大手、紫光集団などが工場の建設資金や設備投資を中国側が負担するなどの好条件を提示し、マイクロンに接近しているのではないかとの観測が浮上している。中国側はこのほか、▽マイクロンに不採算のDRAMの生産・販売を求めない▽マイクロンに工場の管理を委ねる見返りにマイクロンからの技術出資を受け入れる──といった条件を提示しているとの情報もある。

 業界によれば、マイクロンはイノテラ完全子会社化に向け、台湾で銀行団から800億台湾元(約2,600億円)の協調融資を受けるが、契約には中国への工場開設を制限する条項が含まれているほか、DRAM市況の低迷でイノテラが赤字に転落したことなどから、マイクロンによるイノテラへの関心は低下しているもようだ。

 台湾証券交易所(台湾証券取引所、TWSE)に説明を求められたイノテラの李培瑛董事長は13日夜、「マイクロンによる買収計画は交渉が続いており、作業が遅れているだけだ」と述べたものの、「機密保持協定があるため、遅れの理由は説明できない」と歯切れが悪く、株式売買の完了時期についても見通しを示さなかった。