ニュース 社会 作成日:2016年6月15日_記事番号:T00064713
台東県の沿岸部に仕掛けられた定置網にこのほど、2日連続でイタチザメのメスが掛かり、お腹が大きかったため解剖したところ、中から計75匹の赤ちゃんザメが出てきた。小さな命を救おうと、漁業関係者や研究機関が緊急に保護作戦を展開し、68匹の命をつなぐことに成功した。
赤ちゃんザメはいずれも体長80~90センチメートル、体重2キログラム前後だった(14日=中央社)
捕獲されたイタチザメのうち1匹目は13日朝、台東県の三仙台周辺海域に仕掛けられた定置網に掛かっているところを漁業関係者が発見。岸に揚げて解剖したところ、お腹の中から次々と赤ちゃんザメの入った卵黄嚢(らんおうのう)が滑り出てきた。これまでにも同様の事例を経験したことのある漁師がすぐに水の入ったバケツを用意し、その中で卵黄嚢を切開して38匹の赤ちゃんザメを取り出した。
母ザメが捕獲当初、まだ生きていたこともあって、生まれてきた赤ちゃんは比較的元気で、身体測定を済ませた後、大型の養殖池に放たれると同日午後にはエビやイカなどのエサを口にするようになったという。
一方、2匹目のサメは同じく台東県の長浜周辺海域の定置網で捕獲された。こちらも妊娠が確認されたため、行政院農業委員会(農委会)水産試験所・東部海洋生物研究センター関係者が駆け付けた。しかし母ザメは捕獲時、既に死亡していたため、別の場所に移して処理した場合、赤ちゃんザメがお腹の中で死んでしまう恐れがあるとしてすぐに解剖することを決めた。
取り出された37匹の赤ちゃんはお腹から出てきてすぐはまったく動かなかったが、水中で軽く叩いてやると徐々に生気を取り戻した。しかし死亡した母体の中にいた時間が長過ぎ、酸欠になっていたのか、仰向けになってお腹を見せたり、口をパクパクさせたりと異常な行動が見られ、その日のうちに7匹が相次いで死んだ。
妊娠したサメの相次ぐ捕獲について東部海洋生物研究センターの何源興主任は、今の時期はイタチザメの繁殖期に当たり、母ザメは赤ちゃんがエサを見つけやすいよう沿岸部で出産するが、誤って定置網の中に入ってしまった可能性があると説明した。
なお過去にも捕獲されたサメの腹から赤ちゃんザメを取り出したというケースはあったそうだが、いずれも赤ちゃんは長く生きられなかったという。今回のケースについて何主任は観察を続け、何とか海へ返したいとコメントした。
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