ニュース 政治 作成日:2016年6月20日_記事番号:T00064776
20日で発足から1カ月を迎えた蔡英文新政権に対して蘋果日報が行った世論調査で、蔡英文総統に対する満足度は54.1%に達した一方、林全行政院長は満足度が45.8%、不満足度が38.8%と、やや評価が分かれた。蔡総統は政策と発言の明確さ、穏健なイメージが評価された一方、林行政院長は第1原子力発電所1号機の再稼働をめぐる発言のぶれなどによって信頼感を落としたようだ。中台関係よりも内政改革の成果が期待される新政権は、発足100日以内に改革と実行力を市民に実感させられるかが鍵となるとの指摘が出ている。
蔡政権の滑り出し1カ月の評価は全体として上々だ。改革推進を本格化させて以降は真価が問われる(中央社)
蘋果日報の世論調査によると、蔡総統の施政に対する評価は▽大変満足、26.73%▽満足、27.44%▽不満足、18.21%▽非常に不満足、12.56%▽分からない・意見なし、15.06%──で、大変満足と満足の合計は54.17%だった。林行政院長は、▽大変満足、14.63%▽満足、31.26%
▽不満足、24.66%▽非常に不満足、14.16%▽分からない・意見なし、15.29%──で、大変満足と満足の合計は45.89%。不満足と非常に不満足の合計は38.82%だった。
林行政院長は内閣発足直後から、成長促進剤ラクトパミン(通称・痩肉精)含有の米国産豚肉の輸入解禁問題、集中豪雨での桃園国際空港の浸水トラブルなどに直面したほか、台湾電力(台電)の第1原発(新北市石門区)1号機の再稼働を示唆し、その後姿勢がぶれたことで支持率低下を招いた。
林錫耀行政院副院長は、まだ発足から1カ月で、意見の擦り合わせや意思疎通が不十分な部分もあると述べ、点数を付けるのは早いとの認識を示した。7月からは5大創新(イノベーション)計画、食品安全対策などの新政策を始動し、市民に政策推進を実感してもらえるはずと語った。
民進党の文宣部主任を務めたことのある政治大学台湾文学研究所の陳芳明教授は、林内閣は発言や方針が二転三転したことで不安感を与えたと指摘した。中山大学政治研究所の廖達琪教授は、蔡総統は馬英九前総統に対する香港訪問不許可以外、議論を呼ぶ判断をしておらず、批判される余地に限りがあったと説明した。
国防産業推進は最後に
新政権は、社会住宅について台北市、桃園市、台中市政府との協議を重ねているほか、年金改革では事務所発足に続き、23日に第1回委員会を開催し、月末には高齢者向け長期ケア推進小委員会を立ち上げる予定だ。食品安全委員会も今週開催する予定で、5大社会安定計画を着実に進めている。
また5大創新計画については、早ければ23日に立法院会議(院会、本会議に相当)を通過し、まずアジアのシリコンバレー計画が始動する見通しだ。続いてスマートマシン、航空宇宙園区を推進するほか、エネルギー・温室効果ガス排出量削減の事務所を近く立ち上げる。課題の多い国防産業は最後になりそうだ。
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