ニュース 機械 作成日:2016年6月22日_記事番号:T00064824
円高進行に伴い、台湾の工作機械メーカーの受注が大幅に増えている。台中精機廠(ビクター台中・マシナリー・ワークス)の黄明和董事長、東台精機(東台マシン&ツール)の厳瑞雄董事長、和大工業の沈国栄董事長はいずれも台湾の工作機械産業の景気は最悪の時期を過ぎたとの認識だ。台湾機械工業同業公会(TAMI)の柯抜希理事長は、台湾の今年の機械設備輸出は前年比5%増える可能性があると楽観視している。22日付工商時報が報じた。
円は昨年12月以降上昇を続けており、16日に台湾銀行の現金売相場は一時1円=0.3124台湾元を付け、3年ぶり最高値を更新した。1元=約3.2円と、昨年6月の1元=約4円と比べると、2割以上の上昇となった。
台湾の機械メーカーは過去2年、台湾元高で悩まされたが、最近は海外からの受注が増えている。台中精機、東台精機、高鋒工業(kafo)、台湾滝沢科技、亜崴機電(AWEA)、程泰機械(グッドウェイ・マシン)などは軒並み受注が回復し、ボールねじ、リニアガイドなど基幹部品を生産する上銀科技(ハイウィン・テクノロジーズ)も5~6月は緊急受注が舞い込み、週末も残業態勢で生産を急いでいる。
中国の自動車ホイール向けも
台中精機の黄董事長は、日本円は1米ドル=105~106円まで戻るが、台湾元のレートは安定しており、日台の工作機械の価格差は10~15%まで拡大し、受注力が上がると指摘した。
台中精機は5~6月に海外からの受注が15%増えた。ロシアからの受注が段階的に好転しており、トルコ、東欧からの受注も好調で、円高に伴いオランダ、ベルギーなど欧州からの受注も舞い込んだ。中国からの受注は、ハイエンドへの設備更新によるものや、自動車用アルミホイールメーカーからで、前年より20%多い。
台中精機の5~6月の新規受注は25%増となった。6~8月の出荷は前年同期比2~3割増を見込む。グループの1~5月売上高は30億台湾元(約97億円)だったが、6月以降の出荷で盛り返し、年間売上高は80億元を維持する見通しだ。
5大創新産業、支援に期待
王正青TAMI秘書長は、先週日本の機械振興協会を訪問したところ、日本の中小企業の多くが円高にあえいでいたと指摘。台湾の機械産業は大部分が中小企業だが、より柔軟に対応できると語った。
TAMIの柯理事長は、台湾の機械設備の1~5月輸出額は85億1,700万米ドルで前年同期比8.1%減少したが、他の業界よりは減少幅が小さかったと指摘した。スマートマシンが蔡英文政権が推進する「5大創新産業」に盛り込まれており、実質的な支援を望んでいると語った。
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