宏達国際電子（ＨＴＣ）は21日、前執行長の周永明（ピーター・チョウ）氏が昨年９月に同社を離職していたことを認めた。2006年以降、９年にわたり執行長を務め、ＨＴＣを世界的なスマートフォンブランドに育て上げた周氏の離職は、業界で驚きをもって受け止められている。22日付経済日報が報じた。
周氏はＨＴＣの創業にも携わった（21日＝中央社）
周氏は昨年３月、ＨＴＣの執行長を辞任。次世代製品の開発を担う「フューチャー・デベロップメント・ラボ」部門の責任者に転任した。その後、同氏が離職するとの観測が相次いで伝えられたものの同社は否定し続けていた。
周氏は現在、バーチャルリアリティー（ＶＲ）対応コンテンツ制作などを手掛ける香港上場のデジタル・ドメイン社で董事長を務めているとされるが、ＨＴＣは同氏を長年にわたる貢献に感謝を示すとともに名誉顧問として招聘（しょうへい）する考えを示した。
なおＨＴＣの経営は今後、董事長、執行長、総経理を兼任する王雪紅（シェール・ワン）氏、張嘉臨・世界業務総経理、沈道邦財務長の３人が主導するとみられる。
