ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

八仙粉じん爆発事故から1年、被害者の奮闘続く


ニュース 社会 作成日:2016年6月22日_記事番号:T00064844

八仙粉じん爆発事故から1年、被害者の奮闘続く

 昨年6月27日に新北市八里区のウオーターパーク、八仙水上楽園での音楽イベントで起きたカラーパウダーによる粉じん爆発事故から間もなく1年を迎える。15人が死亡し、484人が深刻なやけどを負う惨事となった同事故の被害者のうち、最後の入院患者が今月3日に退院したものの、大部分は現在も通院やリハビリを続けている上、生涯にわたり痛々しいやけど痕と付き合っていくことになる。

/date/2016/06/22/19photo_2.jpg個展会場では写真集も発売し、収益金はやけど被害を負った人などを支援する「陽光基金会」に全て寄付する(李氏のフェイスブックより)

 専門家によると、やけどが体の面積の20%以上にわたった場合、重傷と考えられるが、八仙楽園の事故では281人が体の40%以上、41人が80%以上にやけどを負っており、被害の甚大さがうかがえる。

 そしてこれら被害者の多くは現在も通院治療を続けているほか、患部の異常を防ぐ圧迫服を着用しているために長時間立っていられない日常的な困難や、周囲からやけど痕を好奇のまなざしで見られるといった苦痛を抱えながら生活を続けている。

 しかしこのような不幸な事故に見舞われながらも被害者やその家族は、社会復帰や将来の夢の実現に向け、くじけることなく努力を続けている。

 八仙楽園でアルバイト中に事故に遭った18歳の女性は、下半身に深刻なやけどを負い、皮膚の移植を行った。彼女は事故後、将来が不安になることもあったが、家族や同級生の励ましを受けて徐々に自信を取り戻し、今年迎えた高校の卒業式ではステージでダンスを披露するまでに回復。今ではやけど痕を気にせず半ズボンで出かけることもあるそうだ。さらに水泳好きの彼女は事故後にライフセーバーの資格を取得しており、将来、ビキニを着て仕事に就くことが夢だという。

 また友人と八仙楽園に遊びに出かけて事故に巻き込まれ、全身の70%にやけどを負った25歳の女性の両親は、花蓮県で営んでいた人気豆腐店をたたみ、娘が通うリハビリセンターのある新北市に引っ越して付きっきりで看病を続けている。

 彼女の父親は「金はまた稼げるけど娘は1人しかしない。あの子に助けが必要とするなら親はそばにいてやらなくちゃ」と語る。「民宿を開く」という娘の夢を実現させるため、父親は今後も彼女を支え続けるつもりだ。

 なおカメラマンの李天賀氏は、事故被害者が社会復帰する際に適切な配慮を受けたり、好奇の目にさらされないよう市民が考えるきっかけにしたいと、やけど痕を隠さずに撮影した24人の被害者の写真を集めた個展を24~26日、台北市中正区の華山1914文化創意産業園区(華山1914クリエーティブパーク)で開催する。