ニュース 運輸 作成日:2016年6月24日_記事番号:T00064884
中華航空(チャイナエアライン)は、客室乗務員がきょう24日午前0時から大規模ストライキに突入したことを受けて、午前6時から午後10時までに桃園国際空港、台北松山空港を出発する67便の欠航を発表した。乗客2万人の足に影響する。ストによる大規模な欠航は台湾の航空業界で初めて。中華航空の客室乗務員らが中心の業界労働組合、桃園市空服員職業工会は、労働条件変更などに関する要求7点に対し会社側から回答があるまで無期限でストを続行すると表明した。
中華航空の台北支店前には23日夜、客室乗務員約500人が集結した(24日=中央社)
中華航空は、24日の欠航便に搭乗予定だった乗客に対し、7月末まで手数料無料で別の便に振り替える予約を受け付けると発表した。格安航空会社(LCC)に振り替える場合は補償金3,000台湾元(約9,800円)を支払う。遅延の場合は遅延時間に応じて食事、宿泊や、25~100米ドル相当のクーポンを配布する。
中華航空の同日92便のうち、桃園空港、松山空港発の一部、 高雄国際空港(小港空港)、台南空港発の全便はスケジュール通り運航している。パナマ、パラグアイを訪問する蔡英文総統の専用機は午前9時すぎ、予定通り出発した。
スト参加目標1500人
桃園市空服員職業工会は21日にスト権を確立し、23日夜に突如、台北支店、桃園空港でストを開始した。洪蓓蒂副理事長は、多くの人に迷惑を掛けることは承知しているが、ストは労働者の休息時間を守る戦いで、蔡総統に労働者の搾取や過労問題を直視してほしいと訴えた。
桃園市空服員職業工会は、6月1日からの台北市松山から桃園市への出勤地変更の取り消しなど、労働条件の改善を求めている。スト参加を表明する客室乗務員1,500人からパスポートなど身分証を提出してもらい、会社側に圧力をかけると表明した。
ある会員(組合員)は、ストに集まった客室乗務員に中華航空から携帯電話のショートメッセージが届き、1通目で出勤するかを問われ、2通目には組合によるパスポートの提出要求は脅迫に当たり、刑法に反する恐れがあると記されていたと明かし、経営側の姿勢に不快感を示した。
中華航空は労組の要求に対し、企業本部の桃園市への移転に伴い、2005年の労使合意に基づき、客室乗務員以外は出勤地を既に変更しているなどと回答。ショートメールでの出勤確認は、運航の可否を決定するためで、2通目は客室乗務員を触法行為から守るためと説明した。
新董事長、労使協議を呼び掛け
労使のにらみ合いが続く中、行政院は急きょ董事長の交代を決定。林全行政院長は「今こそ中華航空の改革を」と訴え、新経営陣に対し、労組協議を解決に導き、正常運航を回復するよう求めた。
孫洪祥董事長の後任となった何煖軒・新董事長(前・桃園大衆捷運董事長)は就任前日の23日、交通部と中華航空に対し、まず6月1日以前の労働条件に戻してから、よく話し合うよう呼び掛けていた。
桃園市政府労働局は、ストは完全に合法で、解決手段は労使協議しかないと指摘した。
旅行業界の同業組合、中華民国旅行商業同業公会全国聯合会(旅行業全聯会)は、24日から始まる夏季休暇に200万人が出境するが、中華航空はうち3割、1日当たり1万人が利用すると指摘した。中華航空の売上高からの計算によると、全便が欠航となれば、1日当たり損失額は2億5,000万~3億元に上る。
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