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鴻海が小売事業を再始動、年内に中国で1千店舗展開も


ニュース 商業・サービス 作成日:2016年6月29日_記事番号:T00064961

鴻海が小売事業を再始動、年内に中国で1千店舗展開も

 鴻海精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)董事長が22日に開催された同社株主総会で、「万馬奔騰計画」(従業員による出身地での小型小売店の起業を支援するプロジェクト)を「農民工(農村からの出稼ぎ労働者)返郷創業計画」として再始動させると表明したことについて業界では、同社は今年末までに中国で新たに1,000店舗以上を開設する方針との観測が出ている。29日付電子時報などが報じた。

 鴻海が2010年に3億人民元(約46億円)を投じて中国でスタートさせた万馬奔騰計画は当初、14年に店舗数を1万店以上に拡大することを目標に掲げた。しかし同計画は軌道に乗らず、店舗数もピーク時で300店に届かず、そのまま失速して自然消滅する形となった。

 これについて郭董事長は、「当時はインターネット経済が今ほど発達しておらず、十分なサポートが行えなかった」と説明。新たな小売り事業計画では、ネットと実店舗の融合や中国以外での展開を検討していることを明らかにした。

 その上で郭董事長は、今後、ロボットが生産ラインに導入されれば、労働力の余剰が生まれるほか、中国政府は農民工が地元に帰り起業することを支援する政策を打ち出していることから、同社では同国30カ所以上の工場区で従業員に販売業務に関する研修を行っていると語った。

 なお鴻海による買収が決まっているシャープは23日に株主総会を開催し、野村勝明副社長が鴻海の巨大な生産能力と調達能力を生かして同社の人気家電製品の大幅な販売増につなげたいと語った。しかし一部の株主から「シャープの商品は本当に鴻海の大量生産方式に適合するのか」と疑問の声も上がった。