ニュース 社会 作成日:2016年6月29日_記事番号:T00064974
清朝時代の1826年、現在の高雄市左営区に台湾初の石造城郭として築かれた鳳山県旧城(通称・左営旧城)は、清に対する反乱や第二次世界大戦により破損が進んだが、北門、東門、南門の一部はかつての姿をとどめ、国定古蹟として保護されている。残りの西門については戦後、周辺に眷村(外省人の集住地域)が形成されてその所在が不明となっていたが、14年に眷村が解体された際にその基礎部分と城壁の一部が確認され、さらに文化部がこのほど、修復に20億台湾元の予算を計上することを決定した。
現在の左営区は、鄭成功が台湾を治めた時代には重要な開墾地、清時代は鳳山県政府の所在地、日本統治時代から戦後にかけては海軍の要塞(ようさい)と、各時代の遺産が残る歴史的エリアとなっている。
左営旧城は1721年に発生した朱一貴の乱をきっかけに台湾初の土造城として築城され、1826年に石城に改築されたが、その後、使用されなくなり放置された。
さらに左営旧城の西門は、日本統治時代初期に取り壊され、戦後は同門のあった場所周辺に眷村「自助新村」が形成されたため、かつて立派な城門があったことをうかがい知ることはできなくなった。
しかし一昨年、人が住まなくなった自助新村の解体が進められることとなり、高雄市文化局が専門家と現地を調査したところ、100年以上所在が分からなくなっていた西門の基礎部分と城壁の一部を発見した。なお周囲からは日本軍特攻隊「震洋隊」が造営したとみられる神社跡も見つかっており、同地が日本時代には軍用地として活用された過去が再確認された。
西門跡が発見されたことで全ての門が確認され、多くの城壁が残る左営旧城は、台湾の古城の中でも面積が最も広く、城郭の形状を保つなど保存状態も比較的良好だと高雄市政府は指摘している。
文化部は今後、8年をかけて西門や城壁の修復を進め、同史跡を「生活環境博物館」として活用したいとの考えを示している。
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