ニュース 社会 作成日:2016年6月30日_記事番号:T00065002
現在、中南米を外遊中の蔡英文総統が24日に専用機で台湾を出発する直前、同機に爆弾を仕掛けたとの脅迫電話が警察に入っていたことが明らかとなった。調査の結果、脅迫内容は虚偽と判明。逮捕された容疑者は同日、大規模ストライキを決行していた中華航空(チャイナエアライン)の客室乗務員で「ストに貢献したかった」と供述しているという。
蔡総統は24日、パナマ、パラグアイを外遊するため同日午前9時に桃園国際空港から経由地の米マイアミへ向けて出発する予定だった。しかしその30分ほど前、新北市警察局に「総統専用機に爆弾が仕掛けられている」との脅迫電話がかかってきた。
これを受けて警察は直ちに桃園空港、国家安全局(国安局)、航空警察局などに連絡。専用機をくまなく調査したが、爆発物など不審物は発見されず、蔡総統の乗せた専用機は予定通り空港を離陸した。
警察はその後、脅迫電話の発信源を新北市内のコンビニエンスストアと特定。周辺の監視カメラの映像を調べた末、25日午後2時ごろ、電話がかかってきた時刻に電話を使用していた黄致豪容疑者(42)を自宅で逮捕した。
取り調べの結果、黄容疑者は総統専用機を運航する中華航空の客室乗務員と判明。蔡総統が外遊に出発した24日に勤務環境の改善を求めて大規模ストを展開していた労働組合、桃園市空服員職業工会にも加入していた。
黄容疑者の供述によると犯行当日早朝、彼は労組が台北市の中華航空本社前で実施していた座り込みに参加した後、野球帽とマスクを着用して自宅近くのコンビニへ出かけ、テレフォンカードを購入。これを使ってコンビニの外に備え付けの公衆電話で脅迫電話をかけたという。
犯行動機について黄容疑者は「ストを行う同僚たちの力になりたいと考え、いたずらのつもりでやってしまったが、今は後悔している」と語ったという。
一方、労組側は黄容疑者が組合員であることを認めた上で、「彼の行動は個人的なもので組合とは無関係」と強調した。
なお黄容疑者については、中華航空の同僚が「無口で穏やかな性格でこんな事件を起こしたことに驚いている」と語っている一方で、友人からは「白いベンツに乗るなど、目立ちたがり屋な面がある」と指摘している。いずれにせよ、総統を脅迫することが、なぜストへの貢献に結び付くと考えたかは謎だ。
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