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復興航空機墜落事故、操縦ミスが原因と断定


ニュース 運輸 作成日:2016年7月1日_記事番号:T00065019

復興航空機墜落事故、操縦ミスが原因と断定

 昨年2月に復興航空(トランスアジア航空)235便(機種ATR72-600)が台北市の松山空港を離陸直後、基隆河に墜落し、43人が死亡した事故で、航空事故の調査機関、飛航安全調査委員会(飛安会)は30日、人為的な操作ミスが事故原因だったと断定する最終事故報告書を発表した。1日付蘋果日報が伝えた。

/date/2016/07/01/13TransAsia_2.jpg飛安会は事故調査報告で、交通部民用航空局(民航局)のチェック機能が働いていなかったことも指摘した(30日=中央社)

 報告書は死亡した操縦士が定められた手順を守らず、第2エンジンが故障しているか否かの確認を怠り、正常に動作していた第1エンジンを停止させたことで機体が推力を失い、失速して川に墜落したと結論付けた。

 報告によれば、同便は離陸前、乗組員がエンジンが正常作動していることを示す「自動離陸動力制御システム」(ATPCS)のランプが消えていることに気付きながら、離陸を中止しなかったことも分かった。

 一方、停止した第2エンジンでは部品の溶接部分に亀裂が見つかった。事故から2週間後、復興航空機の同型機でもエンジンが停止するトラブルがあり、亀裂が見つかったことから、飛安会はエンジンを製造したカナダのプラット・アンド・ホイットニーに改善を求めることも決めた。 

 飛安会の黄煌輝主任委員は「事故はほぼ人為的な操作ミスによるものだ」と指摘。乗組員の訓練をしっかり行っていなかったことを指弾した。

 復興航空は「調査結果を尊重し、各界の指摘を謙虚に受け止める」とした上で、ATR機の最近の故障発生率はゼロだと説明した。

 これに対し、死者の遺族からは「報告は責任を事故で死亡した操縦士に押し付けているが、復興航空の内部管理上の問題こそ主因だ」との声が聞かれた。