ニュース 社会 作成日:2016年7月11日_記事番号:T00065162
末期の肝硬変を患う男性がこのほど、血液型の異なる息子2人からそれぞれ肝臓と腎臓の提供を受けるという世界でも例を見ない移植手術により、無事一命を取りとめた。
庭師の仕事に従事する呉添進さん(50)が今年3月に高雄長庚紀念医院で診察を受けた際、既に肝臓と腎臓が衰弱し、移植が生き残るための唯一の方法と告げられた。父親の危機を聞いた兵役中の長男、栄豊さん(26)と家業を継いだ次男の啓全さん(24)は主治医に対し、「自分たちのどちらの臓器を使ってもいいから父を助けてください」と訴えた。
ただ、臓器移植は拒絶反応を防ぐため、血液型が同じ相手からの移植が最良とされるが、父、添進さんの血液型はO型で息子2人はA型で異なるという問題に直面。しかし台湾の法律では生体臓器移植の場合、5親等以内の提供に限るという規定があり、他に方法がなかったことから主治医は息子からの臓器移植を決めた。
なお添進さんは息子からの申し出に対し、「まだ結婚もしていない子供の命を危険にさらすわけにはいかない。自分が死ねば済む」と考えて一時は拒否しようと考えたそうだ。しかし息子は「父さんを死なせるわけにはいかない」と言い張ったため、つらい気持ちを抱えつつ、これを受け入れたという。
添進さんの手術の執刀医はこれまで1,500例以上の移植を手掛け、患者の5年生存率が91%と世界でも最高レベルの腕を持つ、陳肇隆名誉院長だったが、その彼にしても異なる血液型の提供者からの生体間移植は初めてだった。
彼はまず添進さんに拒絶反応を抑えるための血液浄化治療を施した後、6月15日に弟の啓全さんから肝臓の71%を切り取って父親の体内に移植。術後の経過が良好であることを確認し、さらに27日に兄の栄豊さんの左の腎臓を移植した。
手術は無事成功し、添進さんは既に普通病棟に移り、今月中旬にも退院できる見通しとなっている。息子2人も既に退院。71%を切り取られた啓全さんの肝臓は約4週間で元の大きさに戻るそうで、片方の腎臓を失った栄豊さんにも健康上の問題はないという。
親からもらった体の一部を親に返してその生命を救う。これほどの親孝行はないだろう。
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