ニュース 社会 作成日:2016年7月18日_記事番号:T00065297
台湾のアカデミー賞と言われる「金馬奨」で最優秀助演男優賞などの受賞歴を持つ実力派俳優、戴立忍(レオン・ダイ、49)は6月末にクランクアップした中国映画『沒有別的愛』に主演したものの、彼が過去に台湾独立(台独)運動に関わったとの指摘がインターネット上に拡散。ダイは「自分は独立派ではない」と釈明したものの、「炎上」はやまず、制作側は15日、主演男優の交代を発表した。
ダイの降板に対しては「第2の周子瑜事件」といった声も出ている(レオン・ダイのフェイスブックより)
『沒有別的愛』は中国の人気女優、趙薇(ヴィッキー・チャオ)の2作目の監督作品で、今年2月に撮影を開始。そしてチャオ監督は4月、出演者のリストをインターネット上に公開した。するとこの中にレオン・ダイの名前を見つけた中国のネットユーザーから、ダイは台独運動に関わったことがあるほか、「ヒマワリ学生運動」や香港の「雨傘革命」を支持したとの指摘が上がった。
ただ、その後も撮影は続けられ、クランクアップを迎えた6月27日にチャオ監督はダイと一緒に写った写真をネット上にアップロードした。これを受けて同監督に対し「公然と台湾独立を主張する俳優を起用した」との批判が過熱。これに対しダイは「いかなる政党にも属したことはなく、独立派のレッテルを張られるいわれはない」と反論し、制作側も彼の釈明を支持した。
ところがそれでも批判は止まず、ネットユーザーは同作品のボイコット運動を展開する姿勢を見せた上、ダイに対し「私は中国人であり、台湾独立に反対する」と表明するよう迫った。しかしダイはこれに応じず、騒動が一向に収まる気配を見せない状況の中、制作側は15日、「ダイの政治的立場はあいまいであり、祖国統一の大局を考慮すればこうした態度は許されず、降板を決めた」と発表した。
ダイは同日、ファンに対する謝罪と制作チームの決定を尊重するとの声明を発表した。しかし、「独立派」との指摘に対しては「父親は国共内戦の影響で台湾に渡った外省人、母親は本省人で、自分の血縁を切り離そうと思ったことはない。私は炎黄(中華民族の祖とされる炎帝と黄帝)の子孫だ」と反論し、ヒマワリ運動については「学生と警察の衝突事件に心を痛め、対話による解決を訴えただけだ」、雨傘革命についても「支持するプラカードを持った写真を不用意に撮らせてしまった」と語った。
今回の騒動に対し文化部は「文化的創作における自由に政治的制約を加えるべきではない」とコメント。民進党の立法委員からは「台湾人が自由であろうとするならば、中国の軍事的脅威と市場の圧力に屈してはならない。そうでなければ、口も心も頭さえも中国の考え方に従わなければならなくなる」と懸念する声が上がっている。
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