経済部統計処が20日発表した６月の輸出受注総額は357億米ドルで前月比5.9％増、前年同月比2.4％減と、減少幅が縮小した。前年割れは15カ月連続で、世界金融危機以降の最長。経済部は、早ければ７月にプラス成長に転じると予測した。21日付工商時報が報じた。

　製品別では、電子製品が92億8,000万米ドル（前月比4.3％増、前年同月比1.5％増）とプラス成長に転じた。スマートフォン用チップの需要増で、ＩＣ設計、ファウンドリー、パッケージング・テスティング（封止・検査）など半導体サプライチェーンで受注が増えた。

　機械製品も17億8,000万米ドル（前月比5.1％増、前年同月比1.5％増）と、15カ月ぶりにプラス成長に転じた。台湾元安が前年同期より3.97％進んだほか、一部メーカーが長期受注を獲得したためだ。

　その他製品は軒並み前年割れだった。中でも液晶パネルを含む精密機器は18億7,000万米ドル（前月比3.2％増、前年同月比17.7％減）と、20カ月連続で前年割れだった。ただ、減少幅は過去９カ月で最も小さかった。パネル市場は需給が逼迫（ひっぱく）し、価格が上昇している。

欧米はプラス転換

　国・地域別では、米国からの輸出受注が101億2,000万米ドル（前月比7.8％増、前年同月比1.2％増）、欧州は62億9,000万米ドル（前月比9.4％増、前年同期比3.2％増）とプラス成長に転じた。▽中国、88億2,000万米ドル（前月比4.9％増、前年同月比2.4％減）▽東南アジア諸国連合（ASEAN）主要６カ国、43億5,000万米ドル（前月比1.4％減、前年同月比5.9％減）▽日本、20億8,000万米ドル（前月比16.7％増、前年同月比16.4％減）──は前年割れだった。

　なお上半期の輸出受注総額は、2,010億7,000万米ドルで前年同期比7.4％減だった。