ニュース 社会 作成日:2016年7月21日_記事番号:T00065376
中国人客24人を乗せ、帰郷のため桃園国際空港へ向かっていた観光バスが炎上し、乗客乗員全員が死亡した事故(19日)で、犠牲となった中国人女性客の1人が事故当日、インターネット上の交流サイト(SNS)に「台湾は美しい」という内容の書き込みを行っており、これが最後の言葉となっていたことが明らかとなった。
林全行政院長は21日、中壢の葬儀場へ赴き、犠牲者へ哀悼の意を示した。25日に遺族の参列の下、告別式が行われる(21日=中央社)
今回、夫と13歳の娘、両親と共に台湾旅行にやってきた高秀満さんは旅の途中、SNSサイト、微信(ウィーチャット)に自身が撮影した台湾の風景写真を数多くアップロードし、これを見た親族や友人から「うらやましい」といった反応を得ていた。高さんは事故に遭った当日、「台湾の美しさは実際に自分の目で確かめた方がいいよ」と書き込んでいたが、残念なことにこれが彼女の遺言となってしまった。
また夫と共にツアーに参加していた大連市在住の幼稚園園長、于香さんもウィーチャットを通じて中国の妹に「台湾の風景は美しいし、小吃(軽食)もおいしい」と台湾旅行を満喫していることをうかがわせるメッセージを残していた。
台湾の政権交代をきっかけに中台関係が冷え込む中、今回の事故は台湾を実際に訪れて好意的な感情を抱いた中国市民の命を奪ってしまったことになる。
なお2008年の中国人客受け入れ開放以降、訪台した中国人の負傷者は390人、死者は90人に上り、うち観光バスの事故(計9件)による死傷者が298人を占めている。中国メディアは「観光バスの事故が多過ぎる」「台湾への旅行は命がけだ」などと厳しく批判し、改善されなければ訪台する中国人の減少は避けられないと指摘している。
またネットユーザーからは「中国人客に事故が集中しているのではないか」「他の外国人に比べ中国人は差別を受けている」など、中国客の安全がないがしろにされているとの疑念の声も上がっている。
ただ台湾の観光バス運行業者は、バス事故による中国人の犠牲者が多いのは同国からの訪台者が多く、交通手段としてバスが主に利用されているためで、事故発生率は他の外国人や他国での状況に比べて特に高いわけではないと反論している。
ただ、業界内部からは、人手不足のためバス運転手が道路状況を十分に把握しないまま運転することがあるほか、利益確保のために車両のメンテナンスがおろそかになっているのは事実との指摘も上がっており、安全上、改善の余地があることは間違いなさそうだ。
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