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第一銀事件で犯人が隠した現金、見つけた男性がネコババ企む?


ニュース 社会 作成日:2016年7月22日_記事番号:T00065405

第一銀事件で犯人が隠した現金、見つけた男性がネコババ企む?

 第一商業銀行(ファースト・コマーシャル・バンク)の現金自動預払機(ATM)が不正操作され、現金8,000万台湾元余りが引き出された事件で、犯人が台北市内湖区の山中に隠した2,113万元の一部をある高齢者の男性が警察よりも前に発見。自宅に持ち帰ったが、その後、現場を捜索した警察が金額の不足を公表した2時間後にようやく届け出たことから、男性は現金を自分のものにしようとした疑いが持たれ、取り調べを受けている。

/date/2016/07/22/19money_2.jpg男性はマスコミの質問に対し、一言も発しなかった(21日=中央社)

 警察は20日、今回の事件の主犯格として逮捕されたラトビア国籍のペレグドフス・アンドレイエス容疑者(41)の立ち会いの下、同容疑者が盗んだ現金を隠したと供述した内湖区の山中で捜索活動を展開し、現金1,263万元の入ったバッグ1個を発見。しかし、アンドレイエス容疑者はこの場所に現金を詰めたバッグ2個とパソコンバッグ1個を隠したと主張し、残りの現金が消えてしまっていたことが判明した。

 そして警察がその経緯をメディアを通じて説明した2時間後、内湖区在住の男性(65)が現場近くで拾ったという454万元を警察に届け出た。男性は、警察が捜索を行った日の早朝、ウォーキングをして現場付近を通りかかったところ、現金の入ったPCバッグを発見し、自宅に持ち帰ったと説明した。

 これに対し警察は、男性が現金を拾得してから届け出るまでに13時間が経過し、しかも警察が現金が足りないことを公表した後だったこと、さらに男性が事情聴取を拒否したことから盗品隠匿などの容疑で捜査している。

 なお蘋果日報の記者が現金の隠し場所となった山中を実際に訪れたところ、周辺に道らしい道はない上、地面はぬかるんでおり、ウォーキングをするような環境ではなかったという。

 この男性について弁護士は、拾った金を自分のものにしようとする意思があった判断された場合は遺失物横領罪で最高1万5,000元の罰金処分、見つけた現金が事件に関わるものと知っていた場合、または報道を見て現金の隠し場所を知り、故意に「宝探し」に出向いていた場合は盗品運搬の罪や窃盗罪で最長5年の懲役が科せられる可能性があると指摘している。

 なお拾った454万元を直ちに届け出ていれば、男性は1割に当たる約45万元を第一銀に請求できたそうだ。