ニュース 社会 作成日:2016年7月25日_記事番号:T00065429
台湾でも少子化が進む中、誰でも大学に進学できる時代を迎えており、浪人生の数が激減している。こうした中、高雄市と台中市の大手予備校が互いの「縄張り」で広告を打ち出し、学生を奪い合うなど競争が過熱している。
大学学科能力測験(学測)や大学入学指定科目考試(指考)といった大学入試制度を運営する財団法人大学入学考試中心(大考中心)の統計によると、学測および指考の昨年の受験者数は20万人余りだったが、今年は18万人余りへ約10%減少した。受験生は、より好みしなければほぼ全員がいずれかの大学に進学できる状況となった。浪人して再挑戦しようと考える対象は、名門大学や医学部などの特定学部に限らるため、今年の浪人生は台湾全土で約3,000人と前年比30%減少すると予測されている。
こうした状況の下、かつて台湾の各地に開設されていた大型予備校は相次いで閉鎖され、現在では北部、中部、南部の主要都市に大手業者が残るのみとなっている。このうち台中市の最大手予備校で、雲林県や嘉義県の浪人生も多く入校する順天儒林補習班は昨年、高雄市の同業最大手、力行文教機構のビルにほど近い高雄駅に、医学部合格者数が同予備校を上回ると誇示する大型広告を設置した。
一方、力行文教機構も今年、順天儒林の目と鼻の先に位置する台中市内の交差点に巨大な広告を設置。高雄までの交通費や昼食代、下宿代を支給するといった優遇制度や学費の安さを打ち出し、「高雄力行VS順天儒林。どちらがすごいか一目瞭然」という挑発的なキャッチコピーを掲げた。さらに力行文教は順天儒林に対し、医学部の合格者数で勝負しようと呼び掛けるなど、両者の争いは激しさを増している。
ただ、学費や交通費の免除など特別待遇を実際に受けられるのは成績優秀な学生に限られ、一般の浪人生はその恩恵を受けられないほか、競争激化を受けた学費の低価格化の影響で授業がDVDで行われるなど、サービスの質が落ちているとの指摘も挙がっている。
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