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「鬼月」にメスは入れたくない!7月は手術件数が急増


ニュース 社会 作成日:2016年7月26日_記事番号:T00065454

「鬼月」にメスは入れたくない!7月は手術件数が急増

 台湾において旧暦7月(今年は8月3日~31日)は「鬼月」と呼ばれ、地獄の門が開き、さまざまな霊がこの世に来て悪さをする不吉な月と言い伝えられており、自動車や住宅など大きな買い物を控えたり、海や川に入ることを避けるのが一般的となっている。さらに病院でも鬼月に手術を受ければ良くない結果になると恐れ、主治医に施術日を早めてほしいと申し入れる患者が多く、鬼月前の1カ月は手術室が連日「満室」状態となっている。

 馬偕医院の劉伯恩董事長によると、鬼月の手術を嫌う患者は、科別では産婦人科(帝王切開)、整形外科、眼科、年齢・性別別では50歳以上の男性、地域別では中南部で多く見られ、特に知的水準の低い者ほど強い忌避感情を示すという。

 しかし、大学の教授など知的水準の高い患者にも鬼月を避けたいと願う者が少なくなく、さらに同病院では、ある医師が自分の母親の手術日を早めたいと申し出たため、理由を聞いたところ「私も鬼月はやっぱり不安」との答えが返ってきたケースもあったそうだ。

 中国医薬大学付設医院(台中市北区)の王任賢医師は、各病院のデータを集めた統計を見ても、旧暦7月の手術失敗率が他の月に比べて高いということはなく、鬼月が手術の質に影響をおよぼすことはないと断言している。とはいえ王医師も患者が安心して手術を受けられるよう、できるだけ施術日の希望を聞き入れているそうだ。ただ、病気の進行が早いがんなどの患者に対しては、できるだけスケジュール通りに手術を受けるよう勧めている。

 なお、台湾でも歴史の長い病院などでは「夜中に話しかけられて振り返ると誰もいなかった」「軍服を着た男が患者のそばに立っているのを見た翌日、その患者が亡くなった」などといった怪談が数多く伝えられている。このため、鬼月に入ると一転して手術が減るほか、入院患者が早く退院したがるようになり、「回転率」が上昇するそうだ。