国泰世華商業銀行（キャセイ・ユナイテッド・バンク）は１日、台塑石化（フォルモサ・ペトロケミカル、台塑化）のガソリンスタンド（ＧＳ）との提携クレジットカード発行を発表した。国泰世華銀は、今後も長栄航空（エバー航空）など業界大手との提携カード発行を強化し、今年の有効発行数残高600万枚を目指し、首位の中国信託商業銀行（ＣＴＢＣバンク、中信銀）を逆転する構えだ。２日付経済日報などが報じた。

国泰世華銀の台塑化提携カードは初回利用で最高600元のガソリン代金の還元が受けられる（１日＝中央社）

　国泰世華銀の台塑化提携カードは、台塑化系列のガソリンスタンド400店で、レギュラーガソリン（オクタン価95）が１リットル当たり最高2.4台湾元（約7.8円）安くなる。ガソリンスタンド提携カードで最高の割引率だ。既に20万枚の申し込みがあり、年内に50万枚、来年70万～80万枚を目指す。

　国泰世華銀の李偉正総経理は、台湾にはバイクが2,144万台あり、ガソリンスタンド提携カードの有効発行数残高は200万枚余りで、市場シェア３割以上を狙うと語った。

　台塑化の曹明総経理は、直営のガソリンスタンドはクレジットカードでの支払いが43％を占め、今後は50％まで上昇すると予測した。

コストコカードが貢献

　国泰世華銀は提携カードに注力しており、同社が独占発行する▽系列の生命保険会社の国泰人寿保険（キャセイライフ）、45万枚▽百貨店大手の太平洋崇光百貨（太平洋そごう）、80万枚▽米会員制量販店の好市多（コストコ）、160万枚──だけで合計約300万枚となる。

　国泰世華銀の６月末の有効発行数残高は535万6,000枚で、中信銀の590万枚を追う。一方、国泰世華銀は昨年、クレジットカード決済額が前年比11％増の3,408億元で首位に浮上し、過去20年連続首位だった中信銀（3,339億元）を下した。今年上半期のクレジットカード決済額は国泰世華銀が1,913億元で首位、中信銀を156億9,000万元上回った。中信銀のコストコ提携カードが今年から同店で利用できなくなった中で、国泰世華銀のコストコ提携カード決済額は月間70億～80億元を推移している。

中信銀、中華航空と提携

　中信銀は、８月に▽中華航空（チャイナエアライン）▽中国南方航空（チャイナ・サザン・エアラインズ）▽中国東方航空（チャイナ・イースタン・エアラインズ）▽上海航空▽アモイ航空──との提携カードを発表する予定だ。このほか、スマートフォンを使ったクレジットカード決済でコンビニエンスストア大手２社、セブン－イレブンと全家便利商店（台湾ファミリーマート）と提携するなど、国泰世華銀への対抗に力を入れている。

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