ニュース その他分野 作成日:2016年8月9日_記事番号:T00065711
財政部統計処が8日発表した7月の輸出総額は241億2,000万米ドルで前月比5.4%増、前年同月比1.2%増と、18カ月ぶりにプラス成長に転じた。世界金融危機当時の14カ月連続を上回る、過去最長の前年割れからついに脱した。アップルが9月に発表すると予想される新世代スマートフォン、iPhone7向けに、半導体をはじめ電子部品の輸出が大幅に増加し、中国・香港向け輸出額も18カ月ぶりプラス成長に転じた。ただ、蔡美娜・財政部統計処長は、下半期にプラス成長が続いても今年通年では前年割れを免れないとの予測を示した。9日付経済日報などが報じた。
成長をけん引した電子部品の7月輸出額は79億5,700万米ドルで前年同月比5.7%増と過去4番目に高く、2カ月連続のプラス成長だった。電子部品のうち半導体は5億5,000万米ドル(8.9%増)と過去3番目に高く、2カ月連続のプラス成長だった。カメラレンズは前月まで2桁のマイナス成長が続いていたが、横ばいに回復した。携帯電話とその部品は2,000万米ドルで前年同月比11.2%増と、2桁成長が続いた。液晶パネルなど光学器材は10億100万米ドルで5.5%減だった。
蔡処長は、▽ファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)やIC設計最大手の聯発科技(メディアテック)が第3四半期の売上見通しを上方修正している▽液晶パネルメーカーの下半期受注見通しが立っている▽製造装置の輸入額が増えている──ことから、企業は下半期の需要期を楽観していると指摘した。景気回復の兆しは確実で、8月のプラス成長は保証できないが、下半期の輸出総額は期待できると語った。
一方、台湾経済研究院(台経院、TIER)の孫明徳・景気予測センター主任は、中国、韓国も輸出が依然不振で、世界的に需要が低迷しており、台湾は半導体だけに頼っていては長く保てず、7月の輸出総額プラス転換でも浮かれていられないと述べた。
元大宝華綜合経済研究院の梁国源院長は、iPhone7効果は2014年9月発表のiPhone6に及ばない予想で、景気が底を打ったとはいえ油断できないと語った。
米国向けは前年割れ
市場別では、中国と香港向け7月輸出額は95億9,500万米ドルで前年同月比3.4%増と、18カ月ぶりプラス成長だった。うち電子部品が4億3,000万米ドルで11.2%増加した。
他の主な市場は▽東南アジア諸国連合(ASEAN)主要6カ国、44億500万米ドル(前年同月比4.5%増)▽欧州、22億9,500万米ドル(4.5%増)▽日本、18億3,900万米ドル(10.2%増)──とプラス成長だったが、米国は27億6,200万米ドル(7.3%減)で前年割れだった。
7月の輸入総額は205億1,000万米ドルで前月比6.3%増、前年同月比0.2%減だった。前年同月比の減少幅は大幅に縮小し、過去1年で最低だった。半導体製造装置の7月輸入額は17億5,000万米ドルで前年同月比16.5%増、過去3番目に高かった。
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