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台北市と警備業界、裁量労働制めぐり対立


ニュース その他分野 作成日:2016年8月15日_記事番号:T00065834

台北市と警備業界、裁量労働制めぐり対立

 一部業種で個々の勤労者との協定に基づき変則労働時間を採用することを認めた労働基準法第84-1条(いわゆる裁量労働制)に関連し、台北市政府労働局は今月末までに警備業界と調整会合を持ち、施行日を決定する方針だ。台北市は、従業員の身体状況が夜勤やシフト勤務に適さない場合、自治体に届け出た協定の廃止を雇用主に義務付ける審査基準を導入する方針で、警備業界は「(登記地の)他の県市への移転も辞さない」と反発している。14日付中国時報が伝えた。

 裁量労働制はシフト職場などに柔軟な労働時間の設定を許容するものだが、労働団体は「過労の元凶だ」として見直しを要求してきた。台北市では昨年、勤労者2万6,353人が雇用主と協定を結び、うち78%を警備業界が占めている。

 新審査基準では、勤労者が▽循環器系関連の医療給付を受けている▽医師から労働時間短縮や夜間労働の中止の勧告を受けている──などの状況にあり、労働検査や勤労者本人から指摘があった場合、雇用主は届け出済みの協定を廃止しなければならない。変則労働時間では月288時間を上限とする労働が可能だったが、協定が廃止されれば、同上限の定める220時間(時間外労働46時間を含む)となる。

 警備会社幹部は「協定を廃止し、労基法の法定労働時間を守れば、従業員を追加雇用しなければならなくなり、従業員も月2万台湾元(約6万5,000円)の賃金しか受け取れなくなる」とした上で、「(市側の措置で)警備会社の経営コストが増大し、他の県市に登記した警備会社との落札競争で台北市の業者は不利になる」と訴えた。