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昼間の派出所にシャッター、警察官の人手不足深刻


ニュース 社会 作成日:2016年8月23日_記事番号:T00065992

昼間の派出所にシャッター、警察官の人手不足深刻

 新竹県の山間部、尖石郷にある3カ所の派出所はいずれも、数カ月前から「1人勤務体制」となっており、その1人の警察官に外出する必要が生じた場合、昼間であってもシャッターを下ろして閉鎖せざるを得ない状況となっている。シャッターには「用がある方は◯◯に連絡を」といった張り紙が残されているものの、書かれた電話番号にかけてもたらい回しにされるなど、対応が遅く、近隣住民からは「われわれは2等国民か」などと不満の声が上がっている。

 尖石郷新楽村のある住民が先ごろ、訴訟関連の書類を手に入れようと村内の派出所に出向いたところ、入り口にはシャッターが下りており、そこに連絡先を記した紙が貼り付けてあった。書かれた番号に電話をかけると、数十分後にようやく駐在の警察官が戻ってきて門を開け、書類を受け取ることができた。

 しかし、新楽村は1,500人の人口を有するほか、山間部にはキャンプ場が密集しており、この住民は「警察官が1人しかいなくて治安を維持できるのだろうか」と不安になったという。

 尖石郷の派出所を管轄する新竹県横山警分局は、同郷では長年にわたり人員不足が続いており、全体で26人しか配置されておらず、現状はやむを得ないと説明している。

 実は警察ではここ数年退職者が多く、全土的に人手不足に悩まされている。その影響で辺境地などの派出所には1人しか警察官が配置されないケースが増えている。

 南投県警察局中興分局が管轄する永清派出所と府西派出所も1人勤務となっているが、地元住民からは「ほとんど毎日、勤務する警察官の顔が入れ替わり、通報があってもその場を動こうとはせず、別の派出所に連絡を入れるだけで、まるで通信兵だ」と不満の声が上がっている。

 ただ警察官は、両派出所は人出不足から廃止が検討されたが、派出所がなくなれば地元住民が不安になるため存続が決まったと指摘。近隣の派出所同士で協力して任務に当たっていると説明した。