ニュース 社会 作成日:2016年8月26日_記事番号:T00066067
蔡英文政権に「インターネットの天才」と呼ばれる35歳のネットビジネス起業家、唐鳳(オードリー・タン)氏が政務委員(無任所大臣に相当)として10月に入閣することが決まった。経歴も年齢も一般的な閣僚イメージとは大きく異なる彼女は、デジタルエコノミーやオープンガバメントといった得意分野を先導する役割を期待されており、手腕や言動が早くも注目を集めている。
唐氏の入閣に対しては「夢が持てる人事だ」といった声が若い世代から出ている(25日=中央社)
1981年生まれの唐氏は5歳で世界の古典作品を読み、8歳でコンピュータープログラムの独習を始めた大変な早熟児だった。精神年齢の差から同世代の子供たちとは摩擦が絶えず、幼稚園では他の園児にたたかれて刃物を持って登園しようとしたり、小学校2年の時は成績優秀クラスのクラスメートに集団いじめを受けて不登校になった。
結局、中学校をいじめで中退して、1人で学ぶ道を選ぶ。16歳でフリーソフトウエア会社を起業、シリコンバレーの企業でも働きつつ、33歳で会社を売却してビジネス界から引退した。政府情報の透明化を目指すコミュニティー「gov零時政府」で活躍し、台湾のオープンソースとハッカソン(ソフトウエアプロジェクトでの集中作業)を代表する人物として業界で高い知名度を誇る。2014年のヒマワリ学生運動では、学生が占拠した立法院からのネット中継、サイト立ち上げを担当し、gov零時政府の参加者で開発した情報インターフェースは後に香港の雨傘革命にも影響を与えた。
なお、唐氏はもともとは男性で本名を唐宗漢といった。25歳のときに性転換手術を受けて女性になり、その際に氏名を「唐鳳」に変更している。
そんな彼女は25日、自身のフェイスブック上で、現在担当している米アップルの顧問の任期が終わった後の10月1日に「デジタル政務委員」の役職に就くと発表。「権力にあずかろうとするコミュニティーのためでも、ネット上で政策を広報する役割でもなく、知恵と力を結び付けるコリドーの役割を果たしたい」と抱負を語った。
政務委員としては過去最年少となり、地味なベテラン実務家ばかりの林全内閣では異色の存在となる。海外の大学院を修了した閣僚たちの中で中学中退という経歴も異例だ。そうした彼女の登用は、学歴とは関係なく、能力のある若者の創意と能力を政策に生かそうという蔡政権の姿勢を示したもので、評価されてよいだろう。インターネットを使った新たなビジネスモデルが人々の暮らしに次々と変革をもたらす中、唐氏からどのようなアイデアが飛び出すのか今から楽しみだ。
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