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南部で捨てられたイグアナ繁殖、墓や堤防の破壊も


ニュース 社会 作成日:2016年8月30日_記事番号:T00066121

南部で捨てられたイグアナ繁殖、墓や堤防の破壊も

 台湾南部ではここ数年、ペットとして飼われた後に捨てられたと思われるグリーンイグアナが急速に繁殖し、農作物を荒らしたり、墓や堤防を破壊するなど人間の生活に害を及ぼすとして問題となっている。

 台湾では中南米を原産地とするグリーンイグアナの輸入が2001年に解禁され、年間1万匹以上が持ち込まれるようになっており、当初は1匹数千台湾元だった幼獣の販売価格が、現在は70~100元と「弁当価格」まで低下している。

 安価で購入できるようになったことから、飼い主はイグアナが逃げてもそのまま放置したり、飼いきれなくなって簡単に捨てるケースが増えている。

 そして逃げ出したり、捨てられたイグアナは用水路や川岸の草むらなどに住み着いているようだが、ジャガーやワニのいる中南米とは異なり、台湾にはイグアナの天敵が存在しないことから繁殖して数を増やしている。これまで雲林、嘉義県より南部の各地で野生化した個体が目撃されているほか、屏東県竹田郷と万丹郷、高雄市鳥松区では安定した群れを形成していることが確認されている。

 なおグリーンイグアナはほぼ草食で台湾では主にカジノキを主食としているとみられるが、マメ科の植物やサツマイモの葉などの農作物も好んで食べるようで、農家の怒りを買っている。

 またグリーンイグアナは穴を掘ってその中に産卵する習性があり、墓地に住み着いたイグアナに墓が破壊されたり、川岸の堤防に穴が開けられたりする被害が報告されている。

 高雄市農業局は対策として、13年に外部の専門家に委託して「イグアナ捕獲チーム」を結成。調査と駆除を進めているが、捕獲数は13年の88匹から15年には354匹に急増。屏東県と高雄市を合わせると600匹が捕獲されている。

 捕獲チームを率いる屏東科技大学野生動物保育研究所の陳添喜助理教授は、「このままでは根本的な解決は難しい」と指摘し、政府に対し輸入や売買の禁止といった規制を速やかに導入するよう提言している。