ニュース 社会 作成日:2016年8月31日_記事番号:T00066147
台湾でも広く利用されている対話アプリ「LINE(ライン)」のメッセージに貼り付け可能な「スタンプ」と呼ばれるイラストの創作者同士で著作権をめぐる争いが勃発し、判断が法廷に持ち込まれることとなった。
両者のイラストは確かによく似ている(30日=中央社)
冠をかぶった黄色い毛並みのネコのイラストに高慢なセリフを書き込んだスタンプ「妙可大王」はLINEのプラットフォームを通じて昨年9月にダウンロード提供を開始した後、好評を受けてこれまで3セットがリリースされている。
しかし、自宅で飼っている猫を基に「妙可大王」を共同制作したという「妙可ママ」とその恋人「妙可パパ」は、一部のユーザーから別の創作者が提供しているスタンプ「臭跩猫」を「妙可大王」と誤認したとの指摘を受けて調べてみたところ、驚くほど似通っており、模倣されたことに気付いたと語っている。
なお「臭跩猫」はオレンジのしまが入ったネコのイラストに辛辣(しんらつ)なセリフを組み合わせたスタンプで、これまで7セットがリリースされ、そのうちの1セットは今年上半期、世界のスタンプランキングで第4位に入るなど、「妙可大王」を上回る人気を獲得しているようだ。
「妙可パパ」は台湾メディアに対し、両方のスタンプ画像を並べ「体のバランス、表情、ポーズが非常に似通っている」と指摘した上で、「臭跩猫」は「妙可大王」より後の昨年12月にリリースされており、しかも「臭跩猫」の作者は同年11月、「妙可大王」のフェイスブックページに「いいね!」を押していると強調。模倣された悲しみのあまり創作を継続することができなくなり、提訴するに至ったと説明した。
一方、「臭跩猫」の作者、「麻糬爸」は30日、弁護士を通じて模倣を強く否定。同スタンプは昨年着想し、徐々に完成させたものでその過程で作成した手書きの草稿なども残っていると主張。争う姿勢を見せている。
今回のトラブルについて漫画業界の同業者団体、台北市漫画従業人員職業工会の鍾孟舜理事長は、「『参考にした』と言うには表情やポーズなど類似性が高いイラストが多過ぎる」として模倣の疑いが強いと指摘した。しかし、著名な「スタンプ作家」が所属する毛毛虫文創公司の張凱童総監は「各作家が描くネコのイラストは似通っており、ポーズが似ているからといって模倣と決めつけることは難しい」との見方を示している。
ある弁護士も、著作権は「独創性」や「新規性」が求められる商標や特許とは異なり、リリース時期のみで模倣を判断することはできず、スタンプの場合はセリフの内容が大きな鍵を握ると説明。今回のケースは不起訴処分となる可能性が高いとコメントしている。
さらにネットユーザーからも「ポーズが似ているスタンプなんて山ほどある」との声が上がっており、「妙可パパ」の主張が認められるかどうかは微妙なところだ。
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