ニュース 社会 作成日:2016年9月6日_記事番号:T00066254
外傷防治・災難医学研究基金会と台北医学大学が5日に発表した研究結果によると、台湾では過去9年間に自転車による負傷事故が2倍に増加していることが明らかとなった。公共レンタサイクル「YouBike(ユーバイク、微笑単車)」のサービスが拡大し、自転車の利用者が急速に増えたことが背景にあるとみられる。
邱董事長は、頭のサイズに合ったヘルメットを選び、しっかりあごひもを締めるなど、正しいかぶり方をするよう注意を促した(中央社)
同研究は、台湾全土の大学附属病院など56機関を対象に2005~13年のデータを収集し、分析した。その結果、自転車による事故で負傷者が発生したケースは同期間に7,213件から1万4,874件へとほぼ倍増。自転車事故で死亡した人数が交通事故死全体に占める比率も3.55%から6.74%に拡大した。
現在、台湾には自転車利用者数に関する統計は存在しないが、12年に台北市でユーバイクの提供がスタートした際、最初の3カ月の利用者は延べ67万人だったが、北中部6県市にサービスが拡大した現在は既に1億人を突破しており、これが自転車事故件数の急速な増加の主因となっていることは間違いなさそうだ。
また頭部を負傷し、病院へ運ばれたケースを詳しく調査した結果、ヘルメットを着用していなかった人が頭部に中~重度の外傷を負った比率は20.7%で、ヘルメットを着用していた場合の2.3%をはるかに上回ったことも分かった。さらに治療を経て死亡または植物状態に陥ったり、障害が残った人の数も、ヘルメットを着用していなかった場合は、着用していた場合の2.419倍に上った。
調査結果に対し外傷防治・災難医学研究基金会の邱文達董事長は、自転車は走行速度が比較的遅いため、ヘルメットによる保護効果は高いと指摘。レンタサイクル運営業者に対し、利用者にヘルメットを提供するよう要望するとともに、政府は自転車利用者に着用を義務付ける法改正を行うよう提言した。
ただ、市民からは「夏などに他人の汗で湿ったヘルメットは使いたくない」といった声も上がっており、今後通勤など日常的にユーバイクを利用する場合は「マイヘルメット」を持参する人が増えるかもしれない。
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